民法第617条(期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ)
2014年(平成26年)
- 【問 11】 甲土地の所有者が甲土地につき、建物の所有を目的として賃貸する場合(以下「ケース①」という。)と、建物の所有を目的とせずに資材置場として賃貸する場合(以下「ケース②」という。)に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 3 期間を定めない契約を締結した後に賃貸人が甲土地を使用する事情が生じた場合において、ケース①では賃貸人が解約の申入れをしても合意がなければ契約は終了しないのに対し、ケース②では賃貸人が解約の申入れをすれば契約は申入れの日から1年を経過することによって終了する。
- 正しい。ケース①では借地借家法が適用され、ケース②では民法が適用される。期間の定めのない借地権は、法定期間の30年が存続期間となる(借地借家法第3条)。したがって、ケース①では、賃貸人からの一方的な解約の申し入れはすることができない(同法第5条第1項)。一方、民法では、「当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、土地の賃貸借は、解約の申入れの日から1年を経過することによって終了する。」と定められている(民法第617条第1項第1号)。
- 4 賃貸借の期間を定めた場合であって当事者が期間内に解約する権利を留保していないとき、ケース①では賃借人側は期間内であっても1年前に予告することによって中途解約することができるのに対し、ケース②では賃貸人も賃借人もいつでも一方的に中途解約することができる。
- 誤り。ケース①では借地借家法が適用され、ケース②では民法が適用される。選択肢3の解説にあるように、ケース②は正しい記述である(民法第617条第1項第1号)。ただし、ケース①では、解約留保の条項がない限り期間内の解約はすることができない(借地借家法(第3条、第5条)。
2009年(平成21年)
- 【問 12】 A所有の甲建物につき、Bが一時使用目的ではなく賃料月額10万円で賃貸借契約を締結する場合と、Cが適当な家屋に移るまでの一時的な居住を目的として無償で使用貸借契約を締結する場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
- 2 期間の定めがない場合、AはBに対して正当な事由があるときに限り、解約を申し入れることができるのに対し、返還時期の定めがない場合、AはCに対していつでも返還を請求できる。
- 誤り。AB間の賃貸借において、当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる(民法第617条)。ただし、建物の賃貸人による解約の申入れは、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない(借地借家法第28条)。一方、AC間の使用貸借においては、当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わった時に、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる(民法第597条第2項)。したがって、AはCに対していつでも返還を請求できるわけではない。
2008年(平成20年)
- 【問 13】 Aが所有している甲土地を平置きの駐車場用地として利用しようとするBに貸す場合と、一時使用目的ではなく建物所有目的を有するCに貸す場合とに関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 3 土地賃貸借契約の期間を定めなかった場合、Aは、Bに対しては、賃貸借契約開始から30年が経過すればいつでも解約の申入れをすることができるのに対し、Cに対しては、賃貸借契約開始から30年が経過しなければ解約の申入れをすることができない。
- 誤り。当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる(民法第617条第1項)。したがって、AはBに対してはいつでも解約の申し入れをすることができる。一方、AC間の契約は存続期間が30年となるが、期間が満了して更新されなかった場合にのみ賃貸借契約は終了するのであり、解約の申入れにより賃貸借契約が終了するわけではない(借地借家法第5条)。
2007年(平成19年)
- 【問 14】 借地借家法第38条の定期建物賃貸借(以下この問において「定期建物賃貸借」という。)と同法第40条の一時使用目的の建物の賃貸借(以下この問において「一時使用賃貸借」という。)に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 3 定期建物賃貸借契約は契約期間中は賃借人から中途解約を申し入れることはできないが、一時使用賃貸借契約は契約期間中はいつでも賃借人から中途解約を申し入れることができる。
- 誤り。居住の用に供する建物の賃貸借(床面積が200平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。(借地借家法第38条第4項、民法第617条、第618条)。
1990年(平成2年)
- 【問 9】 Aは、その所有する建物を明らかな一時使用(期間2年)のためBに賃貸したが、Bは期間満了後も居住を続け、Aも、その事実を知りながら異議を述べなかった。この場合、民法及び借地借家法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
- 1 Aは、期間満了を理由に、Bに対し、直ちに明渡し請求をすることができる。
- 誤り。賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する(民法第619条)。この場合において、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができ、解約の申入れの日から3ヵ月を経過することによって終了する(同法第617条第1項第2号)。
- 2 Aは、正当事由のある場合に限り解約し、Bに対し、直ちに明渡し請求をすることができる。
- 誤り。本問は建物の明らかな一時使用のため借地借家法は適用されず、解約に正当事由は不要である。第1肢と同様に、この契約は期間の定めのない賃貸借として更新されるため、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができ、解約の申入れの日から3ヵ月を経過することによって終了する(民法第617条第1項第2号、第619条)。
- 3 Aは、正当事由のない場合でも解約の申入れをし、Bに対し、その3ヵ月後に明渡し請求をすることができる。
- 正しい。第2肢の解説参照(民法第617条第1項第2号、第619条)。
- 4 Aは、正当事由のある場合に限り解約の申入れをし、Bに対し、その6ヵ月後に明渡し請求をすることができる。
- 誤り。第2肢の解説参照(民法第617条第1項第2号、第619条)。
- 【問 12】 不動産の賃貸借に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 1 建物の賃貸借において、期間満了前に当該建物が第三者の放火により全部滅失したときは、当該賃貸借は終了する。
- 正しい。本肢記述のとおり(民法第617条、判例)。

