民法第608条(賃借人による費用の償還請求)
2015年(平成27年)
- 【問 3】 AB間で、Aを貸主、Bを借主として、A所有の甲建物につき、①賃貸借契約を締結した場合と、②使用貸借契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 2 Bは、①では、甲建物のAの負担に属する必要費を支出したときは、Aに対しその償還を請求することができるが、②では、甲建物の通常の必要費を負担しなければならない。
- 正しい。賃貸借では、賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる(民法第608条第1項)が、使用貸借では、借主は、借用物の通常の必要費を負担する(同法第595条第1項)。
2013年(平成25年)
- 【問 8】 次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 2 建物所有を目的とする借地人は、特段の事情がない限り、建物建築時に土地に石垣や擁壁の設置、盛土や杭打ち等の変形加工をするには、必ず賃貸人の承諾を得なければならない。
- 誤り。土地に石垣や擁壁の設置、盛土や杭打ち等の変形加工をする行為は、“有益費”に該当し、特段の事情がない限り、その行為に賃貸人の承諾は不要である(民法第608条)。
1997年(平成9年)
- 【問 3】 建物の賃貸借契約における賃借人Aに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 1 Aが、建物賃借中に建物の修繕のため必要費を支出した場合、Aは、その必要費の償還を受けるまで、留置権に基づき当該建物の返還を拒否できる。
- 正しい。賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる(民法第608条第1項)。建物賃借人Aが、建物賃借中に建物の修繕のため必要費を支出した場合、Aは、その必要費の償還を受けるまで、留置権に基づき当該建物の返還を拒否できる(同法第295条第1項)。
1991年(平成3年)
- 【問 13】 AがBからBの所有する建物を賃借している場合に関する次の記述は、民法及び借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 2 Aは、Bの負担すべき必要費を支出したときは、直ちに、Bに対してその償還を請求することができる。
- 正しい。賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる(民法第608条第1項)。
- 3 Aは、有益費を支出したときは、賃貸借終了の際、その価格の増加が現存する場合に限り、自らの選択によりその費した金額又は増加額の償還を請求できる。
- 誤り。賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第196条第2項の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる(民法第608条第2項)。占有者(A)が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者(B)の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる(同法第196条第2項)。選択をするのはBであり、本肢のようにAではない。
1989年(平成1年)
- 【問 6】 Aは、自己所有の建物をBに賃貸した。この場合、民法及び借地借家法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものを選べ。
- 2 建物が老朽化してきたため、BがAの負担すべき必要費を支出して建物の修繕をした場合、Bは、Aに対して、直ちに修繕に要した費用全額の償還を請求することができる。
- 正しい。賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる(民法第608条第1項)。

