民法第606条(賃貸物の修繕等)
2013年(平成25)
- 【問 8】 次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 3 建物の賃貸人が必要な修繕義務を履行しない場合、賃借人は目的物の使用収益に関係なく賃料全額の支払を拒絶することができる。
- 誤り。賃貸人が修繕義務を履行しないときは、履行の強制や損害賠償請求など、通常の債務不履行と同様の効果が生じる。修繕義務不履行の場合、賃借人は、不履行の程度に応じ、全部または一部の賃料の支払いを拒絶することができる。(民法第606条第1項、大判T10・9・26)。本肢では、「賃借人は目的物の使用収益に関係なく賃料全額の支払を拒絶することができる。」となっているため、誤りの記述となる。なお、支障はあるがまだ使用収益できる場合に、賃借人が賃料の全部の支払いを拒絶したときは、賃貸人は、債務不履行を理由として契約を解除することができる(最判S38・11・28)。
- 4 建物の賃貸人が賃貸物の保存に必要な修繕をする場合、賃借人は修繕工事のため使用収益に支障が生じても、これを拒むことはできない。
- 正しい。賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない(民法第606条第2項)。なお、賃貸人が賃借人の意思に反して保存行為をしようとする場合において、そのために賃借人が賃借をした目的を達することができなくなるときは、賃借人は、契約の解除をすることができる(同法第607条)。
2008年(平成20年)
- 【問 10】 Aは、自己所有の甲建物 (居住用) をBに賃貸し、引渡しも終わり、敷金50万円を受領した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 1 賃貸借が終了した場合、AがBに対し、社会通念上通常の使用をした場合に生じる通常損耗について原状回復義務を負わせることは、補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているなど、その旨の特約が明確に合意されたときでもすることができない。
- 誤り。建物の賃貸借が終了した場合に、賃貸人が賃借人に対して通常損耗について原状回復義務を負わせることは、補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているなど、その旨の特約が明確に合意されたときであればすることができる(民法第606条、判例)。
2005年(平成17年)
- 【問 15】 動産の賃貸借契約と建物の賃貸借契約 (借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借、同法第39条に規定する取壊し予定の建物の賃貸借及び同法40条に規定する一時使用目的の建物の賃貸借を除く。) に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 2 賃貸人は賃借人との間で別段の合意をしない限り、動産の賃貸借契約の賃貸人は、賃貸借の使用収益に必要な修繕を行う義務を負うが、建物の賃貸借契約の賃貸人は、そのような修繕を行う義務を負わない。
- 誤り。建物の賃貸借契約も賃貸人に修繕義務がある(民法第606条)。
1989年(平成1年)
- 【問 6】 Aは、自己所有の建物をBに賃貸した。この場合、民法及び借地借家法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものを選べ。
- 1 建物が老朽化してきたため、Aが建物の保存のために必要な修繕をする場合、Bは、Aの修繕行為を拒むことはできない。
- 正しい。賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない(民法第606条)。

