民法第597条(借用物の返還の時期)
2009年(平成21年)
- 【問 12】 A所有の甲建物につき、Bが一時使用目的ではなく賃料月額10万円で賃貸借契約を締結する場合と、Cが適当な家屋に移るまでの一時的な居住を目的として無償で使用貸借契約を締結する場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
- 2 期間の定めがない場合、AはBに対して正当な事由があるときに限り、解約を申し入れることができるのに対し、返還時期の定めがない場合、AはCに対していつでも返還を請求できる。
- 誤り。AB間の賃貸借において、当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる(民法第617条)。ただし、建物の賃貸人による解約の申入れは、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない(借地借家法第28条)。一方、AC間の使用貸借においては、当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わった時に、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる(民法第597条第2項)。したがって、AはCに対していつでも返還を請求できるわけではない。
2005年(平成17年)
- 【問 10】 Aは、自己所有の建物について、災害により居住建物を失った友人Bと、適当な家屋が見つかるまでの一時的住居とするとの約定のもとに、使用貸借契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 4 適当な家屋が現実に見つかる以前であっても、適当な家屋を見つけるのに必要と思われる客観的な時間を経過した場合は、AはBに対し、この建物の返還を請求することができる。
- 正しい。本肢記述のとおり(民法第597条第2項但書)。
1997年(平成9年)
- 【問 8】 Aが、親友であるBから、B所有の建物を「2年後に返還する」旨の約定のもとに、無償で借り受けた。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
- 2 2年の期間満了時において、Bの返還請求に正当事由がない場合には、Aは、従前と同一の条件で、さらに2年間当該建物を無償で借り受けることができる。
- 誤り。借主は、契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければならない(民法第597条第1項)。正当事由は不要である。

