民法第570条(売主の瑕疵担保責任)

2015年(平成27年)

【問 3】 AB間で、Aを貸主、Bを借主として、A所有の甲建物につき、①賃貸借契約を締結した場合と、②使用貸借契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
4 AはBに対して、甲建物の瑕疵について、①では担保責任を負う場合があるが、②では担保責任を負わない。
誤り。賃貸借契約では、賃貸の目的物に隠れた瑕疵があったときは、賃貸人は賃借人に対して瑕疵担保責任を負う(民法第559条、第570条)。一方、使用貸借は、「贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在について、その責任を負わない。ただし、贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったときは、この限りでない(同法第551条第1項)という規定を準用しているので、瑕疵担保責任を負わないとはいいきれない(同法第596条)。

2014年(平成26年)

【問 3】 権利の取得や消滅に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
3 買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり、この消滅時効は、買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行する。
正しい。債権は、10年間行使しないときは、消滅する(民法第167条第1項)。本肢の損害賠償請求権も債権である。売主の瑕疵担保責任に基づく買主の損害賠償請求権にも消滅時効の規定が適用されるかについて、判例は、「売主の瑕疵担保責任に基づく買主の損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり、この消滅時効は、買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行すると解するのが相当である。」としている(同法第570条、最判H13.11.27)。
【問 6】 Aは、Bに建物の建築を注文し、完成して引渡しを受けた建物をCに対して売却した。本件建物に瑕疵があった場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Cは、売買契約の締結の当時、本件建物に瑕疵があることを知っていた場合であっても、瑕疵の存在を知ってから1年以内であれば、Aに対して売買契約に基づく瑕疵担保責任を追及することができる。
誤り。悪意の買主は、売主の瑕疵担保責任を追及することはできない(民法第570条)。買主は、瑕疵について善意無過失が要求される。

2013年(平成25年)

【問 1】 次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。
3 売買契約の目的物に隠れた瑕疵がある場合には、買主は、その程度に応じて代金の減額を請求することができる旨
条文に規定されていない。売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる(民法第570条)。本肢のように“その程度に応じて代金の減額を請求することができる旨”は定められていない。

2012年(平成24年)

【問 3】 次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。
4 物の瑕疵とは、目的物が備えるべき性質、品質を備えていないことである旨
条文に規定されていない。物の瑕疵とは、目的物が備えるべき性質、品質を備えていることである。しかし、この旨は民法の条文に規定されていない(民法第570条参照)。

2011年(平成23年)

【問 9】 次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、明らかに誤っているものはどれか
(判決文)
売買の目的物である新築建物に重大な瑕疵がありこれを建て替えざるを得ない場合において、当該瑕疵が構造耐力上の安全性にかかわるものであるため建物が倒壊する具体的なおそれがあるなど、社会通念上、建物自体が社会経済的な価値を有しないと評価すべきものであるときには、上記建物の買主がこれに居住していたという利益については、当該買主からの工事施工者等に対する建て替え費用相当額の損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として損害額から控除することはできないと解するのが相当である。
1 売買の目的物である新築建物に重大な瑕疵がありこれを建て替えざるを得ない場合、買主は、工事施工者に対して損害賠償請求をすることができる。
正しい。本問判例の内容である(民法第570条、判例)。
2 売買の目的物である新築建物に、建て替えざるを得ないような重大な隠れた瑕疵があって契約の目的を達成できない場合には、買主は売買契約を解除することができる。
正しい。本肢の場合は瑕疵担保責任を追及することができ、買主は売買契約を解除することができる(民法第570条、判例)。
3 売買の目的物である新築建物に建て替えざるを得ない重大な瑕疵があり、同建物が社会通念上社会経済的な価値を有しないと評価すべきものである場合、当該建物が現実に倒壊していないのであれば、買主からの工事施工者に対する建て替え費用相当額の損害賠償請求において、買主の居住利益が損害額から控除される。
誤り。本問判例は、買主からの工事施工者に対する建て替え費用相当額の損害賠償請求において、買主の居住利益が損害額から控除されないとするものである(民法第570条、判例)。
4 売買の目的物である新築建物に建て替えざるを得ない重大な瑕疵があり、同建物が社会通念上社会経済的な価値を有しないと評価すべきものである場合、買主が当該建物に居住したまま工事施工者に対して建て替え費用相当額を請求しても、買主の居住利益が損害額から控除されることはない。
正しい。本問判例の内容である(民法第570条、判例)。

2009年(平成21年)

【問 10】 Aを売主、Bを買主として甲土地の売買契約を締結した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 A所有の甲土地にAが気付かなかった瑕疵(かし)があり、その瑕疵については、Bも瑕疵であることに気づいておらず、かつ、気付かなかったことにつき過失がないような場合には、Aは瑕疵担保責任を負う必要はない。
誤り。瑕疵担保責任は、売主の無過失責任(民法第570条、判例)。

2008年(平成20年)

【問 9】 宅地建物取引業者であるAが、自らが所有している甲土地を宅地建物取引業者でないBに売却した場合のAの責任に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
3 Bが瑕疵担保責任を追及する場合には、瑕疵の存在を知った時から1年以内にAの瑕疵担保責任を追及する意思を裁判外で明確に告げていればよく、1年以内に訴訟を提起して瑕疵担保責任を追及するまでの必要はない。
正しい。本肢記述のとおり(民法第570条、判例)。

2007年(平成19年)

【問 11】 宅地建物取引業者でも事業者でもないAB間の不動産売買契約における売主Aの責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
2 Bが不動産に隠れた瑕疵があることを発見しても、当該瑕疵が売買契約をした目的を達成することができないとまではいえないような瑕疵である場合には、Aは瑕疵担保責任を負わない。
誤り。その瑕疵によって売買契約の目的を達成できないとまでいえないときには、買主は、契約を解除することはできないが、損害賠償請求をすることはできる(民法第570条)。
3 Bが不動産に瑕疵があることを契約時に知っていた場合や、Bの過失により不動産に瑕疵があることに気付かず引渡しを受けてから瑕疵があることを知った場合には、Aは瑕疵担保責任を負わない。
正しい。隠れた瑕疵とは、一般の取引で必要とされる程度の注意をしても見つけられなかった瑕疵のことをいう。買主が瑕疵担保責任を追及できるのは、その瑕疵について善意無過失の場合である(民法第570条)。
4 売買契約に、瑕疵担保責任を追及できる期間について特約を設けていない場合、Bが瑕疵担保責任を追及するときは、隠れた瑕疵があることを知ってから1年以内に行わなければならない。
正しい。本肢記述のとおり(民法第570条)。

2004年(平成16年)

【問 10】 宅地建物取引業者ではないAB間の売買契約における売主Aの責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 Bは住宅建設用に土地を購入したが、都市計画法上の制約により当該土地に住宅を建築することができない場合には、そのことを知っていたBは、Aに対し土地売主の瑕疵担保責任を追及することができない。
正しい。Bは悪意であり、瑕疵担保責任を追及できない(民法第570条)。
4 Bが敷地賃借権付建物をAから購入したところ、敷地の欠陥により擁壁に亀裂が生じて建物に危険が生じた場合、Bは敷地の欠陥を知らなかったとしても、Aに対し建物売主の瑕疵担保責任を追及することはできない。
正しい。瑕疵は売買の目的物になければならない(民法第570条、判例)。本肢の場合、売買の目的物は建物であり、欠陥があるのは敷地である。

2003年(平成15年)

【問 10】 Aが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があった。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。なお、瑕疵担保責任(以下この問において「担保責任」という。 )については、特約はない。
1 Aが、この欠陥の存在を知って契約を締結した場合、AはBの担保責任を追及して契約を解除することはできないが、この場合の建物の欠陥は重大な瑕疵なのでBに対して担保責任に基づき損害賠償請求を行うことができる。
誤り。Bは悪意であり、瑕疵担保責任を追及できない(民法第570条)。
2 Aが、この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、Bの担保責任を追及して契約の解除を行うことができるのは、欠陥が存在するために契約を行った目的を達成することができない場合に限られる。
正しい。本肢記述のとおり(民法第570条)。
3 Aが、この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、契約締結から1年以内に担保責任の追及を行わなければ、AはBに対して担保責任を追及することができなくなる。
誤り。買主が事実を知った時から1年以内にしなければならない(民法第570条)。
4 AB間の売買契約が、宅地建物取引業者Cの媒介により契約締結に至ったものである場合、Bに対して担保責任が追及できるのであれば、AはCに対しても担保責任を追及することができる。
誤り。媒介業者は売主ではなく、担保責任は追及できない(民法第570条)。

2002年(平成14年)

【問 9】 AがBに建物を売却し、代金受領と引換えに建物を引き渡し後に、Bがこの建物に隠れた瑕疵があることを発見したが、売主の瑕疵担保責任についての特約はない。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
1 Bは、この瑕疵がAの責めに帰すべき事由により生じたものであることを証明した場合に限り、この瑕疵に基づき行使できる権利を主張できる。
誤り。瑕疵担保責任は売主の無過失責任(民法第570条)。
2 Bは、この売買契約を解除できない場合でも、この瑕疵により受けた損害につき、Aに対し賠償請求できる。
正しい。本肢記述のとおり(民法第570条)。
3 Bが、Aに対し、この瑕疵に基づき行使できる権利は、Bが瑕疵を知った時から1年以内に行使しなければならない。
正しい。本肢記述のとおり(民法第570条)。
4 Bは、この瑕疵があるために、この売買契約を締結した目的を達することができない場合に限り、この売買契約を解除できる。
正しい。本肢記述のとおり(民法第570条)。

1999年(平成11年)

【問 10】 AからBが建物を買い受ける契約を締結した場合(売主の担保責任についての特約はない)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
4 Bが、この建物の引渡し後、建物の柱の数本に、しろありによる被害があることを発見した場合は、AがAB間の契約締結時にこのことを知っていたときでないと、Bは、Aに損害賠償の請求をすることはできない。
誤り。担保責任は無過失責任なので、Aがその瑕疵を知らなくても、Bは損害賠償の請求ができる(民法第570条)。

1996年(平成8年)

【問 8】 AがBから建物所有の目的で土地を買い受ける契約をしたが、AB間に担保責任に関する特約はなかった。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
4 この土地の8割が都市計画街路の区域内にあることが容易に分からない状況にあったため、Aがそのことを知らなかった場合で、このため契約の目的を達することができないとき、Aは、Bに対して契約を解除することができる。
正しい。売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる(民法第570条)。本肢のような行政上の制約もここでいう瑕疵に該当する(判例)。

1995年(平成7年)

【問 10】 請負契約により注文者Aが請負人Bに建物(木造一戸建て)を建築させた場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。ただし、担保責任に関する特約はないものとする。
3 AがBから完成した建物の引渡しを受けた後、Cに対して建物を譲渡したときは、Cは、その建物の瑕疵について、Bに対し修補又は損害賠償の請求をすることができる。
誤り。仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、請負人の担保責任を追及することができる(民法第634条、第635条)。本肢の場合、Aは、Bに対して担保責任を追及することができるが、Cは注文者ではないので、この追及はできない。ただし、Cは売主Aに対して、売主の担保責任を追及することはできる(同法第570条)。

1992年(平成4年)

【問 5】 Aは、B所有の土地建物をBから買い受け、その際Bは「瑕疵担保責任を負わない」旨の特約を結んだ。しかし、その土地建物に隠れた瑕疵が存在して、契約をした目的を達することができなくなった。なお、Bは、その瑕疵の存在を知っていた。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
1 特約を結んだ以上、Aは、Bに対し、契約の解除をすることができない。
誤り。売主は、瑕疵担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができない(民法第572条)。したがって、Aは、当該契約を解除することができる(同法第570条)。
2 特約があっても、Aは、瑕疵の存在を知ったときから1年間は、Bに対し、契約の解除をすることができる。
正しい。本肢記述のとおり(民法第570条、第572条)。なお、「買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権は、売買契約に基づいて法律上生ずる金銭支払請求権であるから、消滅時効の規定の適用があり、この消滅時効は、買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行する。」という判例があるため、買主が引渡しの時から10年を経過してから瑕疵を発見しても、担保責任の追及をすることはできないことに注意しよう。
3 特約があっても、Aは、瑕疵の存在を知ったときから2年間は、Bに対し、契約の解除をすることができる。
誤り。第2肢の解説参照(民法第570条、第572条)。
4 特約があっても、Aは、土地建物の引渡しを受けたときから2年間は、Bに対し、契約の解除をすることができる。
誤り。第2肢の解説参照(民法第570条、第572条)。

 

【問 8】 居住用不動産の売買契約の解除又は取消に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 当該不動産に隠れた瑕疵がある場合、居住の用に支障がなくても、買主は、当該契約を解除することができる。
誤り。居住の用に支障がない場合は、瑕疵担保責任に基づく売買契約の解除はすることができない(民法第570条)。

1991年(平成3年)

【問 11】 AがBからBの所有地を買い受ける契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、Aがその善意悪意に関係なく、契約を解除することができるものは、どれか。
3 その土地に隠れた瑕疵があり、契約の目的を達成することができないとき
できない。本肢の場合、Aが悪意のときは解除することができない(民法第570条)。

1989年(平成1年)

【問 4】 土地の売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
2 その土地に隠れた瑕疵があって、買主がそのことを知らなかったときは、買主は、その事実を知ったとき、瑕疵の程度に関係なく、契約を解除することができる。
誤り。売買の目的を達成できないときに限り解除することができるのであり、瑕疵の程度に関係なく解除できるわけではない(民法第570条)。

関係法令

このページを閉じる

ページ上部に戻る