民法第511条(支払の差止めを受けた債権を受働債権とする相殺の禁止)

2011年(平成23年)

【問 6】 Aは自己所有の甲建物をBに賃貸し賃料債権を有している。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Aの債権者Cが、AのBに対する賃料債権を差し押さえた場合、Bは、その差し押さえ前に取得していたAに対する債権と、差し押さえにかかる賃料債務とを、その弁済期の先後にかかわらず、相殺適状になった段階で相殺し、Cに対抗することができる。
正しい。支払の差止めを受けた第三債務者Bは、その後に取得した債権による相殺をもって差押債権者Cに対抗することができない(民法第511条)。しかし、差押前に取得した債権の場合は、その債権の弁済期が差押えの前にあるか後にあるかに関係なく、自働債権として相殺することができる(判例)。
2 甲建物の抵当権者Dが、物上代位権を行使してAのBに対する賃料債権を差し押さえた場合、Bは、Dの抵当権設定登記の後に取得したAに対する債権と、差し押さえにかかる賃料債務とを、相殺適状になった段階で相殺し、Dに対抗することができる。
誤り。支払の差止めを受けた第三債務者Bは、その後に取得した債権による相殺をもって差押債権者Dに対抗することができない(民法第511条)。

2004年(平成16年)

【問 8】 Aは、B所有の建物を賃借し、毎月末日までに翌月分の賃料50万円を支払う約定をした。またAは敷金300万円をBに預託し、敷金は賃貸借終了後明渡し完了後にBがAに支払うと約定された。AのBに対するこの賃料債務に関する相殺についての次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
4 AがBに対してこの賃貸借契約締結以前から貸付金債権を有しており、その弁済期が平成16年8月31日に到来する場合、同年8月20日にBのAに対するこの賃料債権に対する差押があったとしても、Aは,同年8月31日に、このBに対する貸付金債権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することができる。
正しい。支払の差止めを受けた第三債務者(A)は、その後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができない。(民法第511条)。しかし、差押前に取得した債権の場合は、その債権の弁済期が差押えの前にあるか後にあるかに関係なく、自働債権として相殺することができる(判例)。

2003年(平成15年)

【問 5】 Aは、B所有の建物に抵当権を設定し、その旨の登記をした。Bは、その抵当権設定登記後に、この建物をCに賃貸した。Cは、この契約時に、賃料の6ヵ月分相当額の300万円の敷金を預託した。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
3 Aが物上代位権を行使して、BのCに対する賃料債権を差し押さえた後は、Cは、Aの抵当権設定登記前からBに対して有している弁済期の到来している貸付金債権と当該賃料債権とを相殺することはできない。
誤り。賃借人は、抵当権設定登記後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権として相殺することはできないが、抵当権設定登記前に賃貸人に対して取得した債権を自働債権として相殺することはできる(民法第511条、判例)。

1995年(平成7年)

【問 8】 AがBに対して100万円の金銭債権、BがAに対して100万円の同種の債権を有する場合の相殺(AB間に特約はないものとする。)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
4 CがAの債権を差し押えた後、BがAに対する債権を取得したときは、Bは、Aに対して相殺をすることができるが、それをもってCに対抗することはできない。
正しい。支払の差止めを受けた第三債務者は、その後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができない(民法第511条)。

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