民法第493条(弁済の提供の方法)
2006年(平成18年)
- 【問 8】 AはBとの間で、土地の売買契約を締結し、Aの所有権移転登記手続とBの代金の支払を同時に履行させることとした。決済約定日に、Aは所有権移転登記手続を行う債務の履行の提供をしたが、Bが代金債務につき弁済の提供をしなかったので、Aは履行を拒否した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 4 Bが、改めて代金債務を履行するとして、自分振出しの小切手をAの所に持参しても、債務の本旨に従った弁済の提供とはならない。
- 正しい。弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない(民法第493条)。金銭債務で有効な提供となるのは、金銭のほか郵便為替や銀行振出の小切手、銀行の支払保証のある小切手を提供した場合である。個人振出の小切手を提供しても、個人振出の小切手は現金化できない場合があるので、原則として、弁済の提供にはならない(判例)。
2005年(平成17年)
- 【問 7】 Aは、土地所有者Bから土地を賃借し、その土地上に建物を所有してCに賃貸している。AのBに対する借賃の支払債務に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 3 Aが、当該借賃を額面とするA振出しに係る小切手 (銀行振出しではないもの) をBに提供した場合、債務の本旨に従った適法な弁済の提供となる。
- 誤り。弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない(民法第493条)。金銭債務で有効な提供となるのは、金銭のほか郵便為替や銀行振出の小切手、銀行の支払保証のある小切手を提供した場合である。個人振出の小切手を提供しても、個人振出の小切手は現金化できない場合があるので、原則として、弁済の提供にはならない(判例)。
2004年(平成16年)
- 【問 4】 共に宅地建物取引業者であるAB間でA所有の土地について、平成16年9月1日に売買代金3,000万円(うち、手付金200万円は同年9月1日に、残代金は同年10月31日に支払う。)とする売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 4 Aが残代金の受領を拒絶することを明確にしている場合であっても、Bは同年10月31日には2,800万円をAに対して現実に提供しなければ、Bも履行遅滞の責任を負わなければならない。
- 誤り。弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる(民法第493条)。
1992年(平成4年)
- 【問 11】 建物の賃貸借に関する次のそれぞれの記述は、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
- 1 賃借人が家賃を支払おうとしても、賃貸人がこれを受領せず、以後の家賃の受領を明確に拒んだ場合においても、賃借人は、家賃を供託しないと、履行遅滞になる。
- 誤り。債務者は、弁済の提供の時から、債務の不履行によって生ずべき一切の責任を免れる(民法第492条)。弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる(同法第493条)。本肢の賃借人は、弁済の提供をすれば、供託をしなくても、履行遅滞にはならない。

