民法第482条(代物弁済)
2008年(平成20年)
- 【問 8】 弁済に関する次の1から4までの記述のうち、判決文及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
(判決文)
借地上の建物の賃借人はその敷地の地代の弁済について法律上の利害関係を有すると解するのが相当である。思うに、建物賃借人と土地賃貸人との間には直接の契約関係はないが、土地賃借権が消滅するときは、建物賃借人は土地賃貸人に対して、賃借建物から退去して土地を明け渡すべき義務を負う法律関係にあり、建物賃借人は、敷地の地代を弁済し、敷地の賃借権が消滅することを防止することに法律上の利益を有するものと解されるからである。
- 3 借地人が地代の支払を怠っている場合、借地上の建物の賃借人は、土地賃貸人の意思に反しても、地代について金銭以外のもので代物弁済することができる。
- 誤り。代物弁済をするには、債権者の承諾が必要(民法第482条)。
2000年(平成12年)
- 【問 9】 Aが、Bに対する金銭債務について、代物弁済をする場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 1 Aが、不動産の所有権をもって代物弁済の目的とする場合、Bへの所有権移転登記その他第三者に対する対抗要件を具備するため必要な行為を完了しなければ、弁済としての効力は生じない。
- 正しい。本肢記述のとおり(民法第482条、判例)。
- 2 Aの提供する不動産の価格が1,000万円で、Bに対する金銭債務が950万円である場合、AB間で清算の取決めをしなければ、代物弁済はできない。
- 誤り。代物弁済は、債務者が債権者の承諾を得て行う契約で、本来の給付と代物弁済としてなされた給付が必ずしも同価値である必要はなく、清算義務もないとされている(民法第482条、判例)。
- 3 Aが、Bに対する金銭債務の弁済に代えて、Cに対するAの金銭債権を譲渡する場合に、その金銭債権の弁済期が未到来のものであるときは、弁済としての効力は生じない。
- 誤り。代物弁済として金銭債権を譲渡する場合は、対抗要件が具備されているならば、その金銭債権の弁済期が到来していなくても、弁済としての効力を生じる(民法第482条、判例)。
- 4 Bは、Aから代物弁済として不動産の所有権の移転を受けた後は、その不動産に隠れた瑕疵があっても、Aの責任を追求することはできない。
- 誤り。代物弁済として給付されたものに隠れた瑕疵があった場合でも、債権は消滅し、それを担保する権利(担保物権)も消滅する。しかし、代物弁済は有償契約であるため、売買の瑕疵担保責任の規定が準用され、隠れた瑕疵がある場合には、債権者は、契約の解除あるいは損害賠償の請求をすることができる(民法第482条、第559条)。

