民法第466条(債権の譲渡性)
2014年(平成26年)
- 【問 5】 債権譲渡に関する次の1から4までの記述のうち、下記判決文によれば、正しいものはどれか。
(判決文)
民法は、原則として債権の譲渡性を認め(民法第466条第1項)、当事者が反対の意思を表示した場合にはこれを認めない旨定めている(同条第2項本文)ところ、債権の譲渡性を否定する意思を表示した譲渡禁止の特約は、債務者の利益を保護するために付されるものと解される。そうすると、譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者は、同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張する独自の利益を有しないのであって、債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情がない限り、その無効を主張することは許されないと解するのが相当である。
- 1 債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債権者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるときに限り、債務者が当該譲渡は無効である旨の主張をすることは許される。
- 誤り。債権の譲渡性を否定する意思を表示した譲渡禁止の特約は、債務者の利益を保護するために付されるものと解される。したがって、債権者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかでなくても、債務者が当該譲渡は無効である旨の主張をすることは許される(民法第466条第2項、最判H21.3.27)。
- 2 債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債権者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであれば、譲渡した債権者が当該譲渡は無効である旨の主張をすることは許される。
- 誤り。本肢の場合、債権者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであっても、債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情がない限り、債権者は、当該譲渡は無効である旨の主張をすることはできない(民法第466条第2項、最判H21.3.27)。
- 3 債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであれば、譲渡した債権者が当該譲渡は無効である旨の主張をすることは許される。
- 正しい。問題の判決文にもあるように、譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者は、同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張する独自の利益を有しないのであって、債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情がない限り、その無効を主張することは許されないと解するのが相当である。本肢の場合は、「債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであれば」となっているので、例外的に、債権者は、債権譲渡禁止特約に基づき、債権譲渡の無効を主張することができる(民法第466条第2項、最判H21.3.27)。
- 4 債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債権譲渡禁止の特約は債務者の利益を保護するために付されるものであるので、債権者はいかなるときも当該譲渡が無効であることを主張することは許されない。
- 誤り。第3肢の解説のように、例外的に、債権者が債権譲渡禁止特約に基づき、債権譲渡の無効を主張することができる場合がある。本肢では、「債権者はいかなるときも当該譲渡が無効であることを主張することは許されない。」となっているため、誤りである(民法第466条第2項、最判H21.3.27)。
2011年(平成23年)
- 【問 5】 AがBに対して1,000万円の代金債権を有しており、Aがこの代金債権をCに譲渡した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 1 AB間の代金債権には譲渡禁止特約があり、Cがその特約の存在を知らないことにつき重大な過失がある場合には、Cはこの代金債権を取得することはできない。
- 正しい。債権は、譲り渡すことができるが、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない(民法第466条第2項)。一般理論としては、第三者は善意で無重過失の者に限り保護されると解されている。本肢のCには重大な過失があるため、Cは代金債権を取得することができない。
2007年(平成19年)
- 【問 9】 債権の譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 3 契約時点ではまだ発生していない将来債権でも、発生原因や金額などで目的債権を具体的に特定することができれば、譲渡することができ、譲渡時点でその債権発生の可能性が低かったことは譲渡の効力を直ちに否定するものではない。
- 正しい。契約時点ではまだ発生していない将来債権でも、発生原因や金額などで目的債権を具体的に特定することができれば譲渡することができる。また、将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡契約の締結時において目的債権の発生の可能性が低かったことは債権譲渡契約の効力を当然には左右しない(民法第466条、判例)。
2003年(平成15年)
- 【問 8】 Aは、Bに対して貸付金債権を有しており、Aはこの貸付金債権をCに対して譲渡した。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
- 1 貸付金債権に譲渡禁止特約が付いている場合で、Cが譲渡禁止特約の存在を過失なく知らないとき、BはCに対して債権譲渡が無効であると主張することができない。
- 正しい。本肢記述のとおり(民法第466条第2項)。

