民法第423条(債権者代位権)
2014年(平成26年)
- 【問 7】 賃貸人Aから賃借人Bが借りたA所有の甲土地の上に、Bが乙建物を所有する場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、Bは、自己名義で乙建物の保存登記をしているものとする。
- 2 Cが甲土地を不法占拠してBの土地利用を妨害している場合、Bは、Aの有する甲土地の所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使してCの妨害の排除を求めることができるほか、自己の有する甲土地の賃借権に基づいてCの妨害の排除を求めることができる。
- 正しい。土地の賃借人Bは、賃借権を保全するために、賃貸人である土地の所有者Aに代位して、土地を不法に占拠するCに対し妨害排除請求権を行使することができる(民法第423条第1項、大判S4.12.16)。また、賃借人Bは、借地上に自己名義で保存登記をした乙建物を所有しているので、借地権を第三者に対抗することができる(借地借家法第10条第1項)。この場合には、賃借権に基づく妨害排除請求権を行使することも可能である(民法第601条、最判S28.12.18)。
2013年(平成25年)
- 【問 5】 抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 3 対象不動産について第三者が不法に占有している場合、抵当権は、抵当権設定者から抵当権者に対して占有を移転させるものではないので、事情にかかわらず抵当権者が当該占有者に対して妨害排除請求をすることはできない。
- 誤り。第三者が抵当不動産を不法占拠することにより、競売手続の進行が害され適正な価額よりも売却代金が下落するおそれがあるなど、抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権の効力として、抵当権者は、抵当不動産の所有者に対し、その有する権利を適切に行使するなどしてこの状態を是正し抵当不動産を適切に維持または保存するよう求める請求権を有する。したがって、抵当権者は、この請求権を保全する必要があるときは、所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使することができる(民法第395条、第423条、最大判H11.11.24)。
2010年(平成22年)
- 【問 7】 民法第423条第1項は、「債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。」と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 1 債務者が既に自ら権利を行使しているときでも、債権者は、自己の債権を保全するため、民法第423条に基づく債権者代位権を行使することができる場合がある。
- 誤り。債務者が既に自ら権利を行使しているときは、債権者代位権を行使することはできない(民法第423条、判例)。
- 2 未登記建物の買主は、売主に対する建物の移転登記請求権を保全するため、売主に代位して、当該建物の所有権保全登記手続を行うことができる場合がある。
- 正しい。本肢記述のとおり(民法第423条、判例)。
- 3 建物の賃借人は、賃貸人(建物所有者)に対し使用収益を求める債権を保全するため、賃貸人に代位して、当該建物の不法占有者に対し当該建物を直接自己に明け渡すよう請求できる場合がある。
- 正しい。本肢記述のとおり(民法第423条、判例)。
- 4 抵当権者は、抵当不動産の所有者に対し当該不動産を適切に維持又は保存することを求める請求権を保全するため、その所有者の妨害排除請求権を代位行使して、当該不動産の不法占有者に対しその不動産を直接自己に明け渡すよう請求できる場合がある。
- 正しい。本肢記述のとおり(民法第423条、判例)。
1995年(平成7年)
- 【問 4】 AとBは、A所有の土地について、所有権を移転する意思がないのに通謀して売買契約を締結し、Bの名義に移転登記をした。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 3 Aの債権者Eは、自己の債権を保全するため、Bに対して、AB間の契約の無効を主張して、Aの所有権移転登記抹消請求権を代位行使することができる。
- 正しい。債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる(民法第423条第1項)。AB間の売買契約は無効であり、Eは、自己の債権を保全するため、Bに対して、Aの所有権移転登記抹消請求権を代位行使することができる(同法第94条第1項)。
- 【問 5】 債権者代位権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 1 Aが妻Bに不動産を贈与した場合、Aの債権者Cは、Aの夫婦間の契約取消権を代位行使することができる。
- 誤り。債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない(民法第423条第1項)。本肢のAB間の贈与は、債務者の一身に専属する権利にあたり、Cは、債権者代位権を行使することはできない。
- 2 DのEに対する債権の弁済期が到来していない場合、自己の債権を保全するため、Dは、裁判上の代位によりEのFに対する債権を行使することができる。
- 正しい。債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、債権者代位権を行使することができない(民法第423条第2項)。
- 3 土地がGからH、HからIへと譲渡された場合において、登記がなおGにあるときは、Iは、HのGに対する登記請求権を代位行使することができる。
- 正しい。本肢記述のとおり(民法第423条第1項、判例)。
- 4 Jの所有地をKが賃借している場合において、Lが不法占拠したときは、Kは、Jの所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使することができる。
- 正しい。本肢記述のとおり(民法第423条第1項、判例)。

