租税特別措置法(第4章 相続税法の特例)
第70条の3(特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例)

2010年(平成22年)

【問 23】 特定の贈与者から住宅取得資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例(60歳未満の親からの贈与についても相続時精算課税の選択を可能とする措置)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 60歳未満の親から住宅用家屋の贈与を受けた場合でも、この特例の適用を受けることができる。
誤り。本問の特例は、60歳未満の親から“住宅取得資金の贈与”を受けた場合に適用されるものであり、“住宅用家屋そのものの贈与”を受けた場合には適用されない(租税特別措置法70条の3)。
2 父母双方から住宅取得のための資金の贈与を受けた場合において、父母のいずれかが60歳以上であるときには、双方の贈与ともこの特例の適用を受けることはできない。
誤り。特定の贈与者から住宅取得資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例(60歳未満の親からの贈与についても相続時精算課税の選択を可能とする措置)については、親の年齢制限はない。したがって、双方の贈与とも特例の適用を受けることができる(租税特別措置法第70条の3)。
3 住宅取得のための資金の贈与を受けた者について、その年の所得税法に定める合計所得金額が2,000万円を超えている場合でも、この特例の適用を受けることができる。
正しい。誤り。特定の贈与者から住宅取得資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例(60歳未満の親からの贈与についても相続時精算課税の選択を可能とする措置)については、贈与を受ける者についての所得制限は定められていない(租税特別措置法第70条の3)。
4 相続時精算課税の適用を受けた贈与財産の合計額が2,500万円以内であれば、贈与時には贈与税は課されないが、相続時には一律20%の税率で相続税が課される。
誤り。相続時精算課税の適用を受ける財産に係る贈与税については、贈与者ごとに計算した贈与税の課税価格(特別控除額2,500万円を控除した金額)にそれぞれ一律20%の税率を乗じて計算した金額となる。相続時の税率は相続税の税率が適用されるのであり(10%~50%(ただし平成27年1月1日以降は55%))、一律20%というわけではない(租税特別措置法第70条の3)。

2007年(平成19年)

【問 27(改)】 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例(「60歳未満の親からの贈与についても相続時精算課税の選択を可能とする措置」及び「住宅取得等資金の贈与に限り相続時精算課税の特別控除(2,500万円)に加え、1,000万円(平成28年中は700万円)の住宅資金特別控除が認められる措置」)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 自己の配偶者から住宅用の家屋を取得した場合には、この特例の適用を受けることはできない。
正しい。本肢の特例を受ける住宅取得等資金といえるには、配偶者や、直系血族、生計を一にする親族等から住宅を取得するような場合以外でなければならない(租税特別措置法第70条の2第2項第5号、第70条の3第3項第5号)。
2 住宅用の家屋の新築又は取得に要した費用の額が2,500万円以上でなければ、この特例の適用を受けることはできない。
誤り。本肢の特例を受けるための要件に、住宅用家屋の新築または取得に要した費用についての制約はない。ただし,増改築について適用を受けるためには100万円以上要した増改築であることとの制約がある(租税特別措置法第70条の2、第70条の3)。
3 床面積の3分の1を店舗として使用し、残りの部分は資金の贈与を受けた者の住宅として使用する家屋を新築した場合には、この特例の適用を受けることはできない。
誤り。本肢の特例を受ける住宅用家屋といえるためには、その床面積の2分の1以上に相当する部分がもっぱら居住の用に供されていなければならない。床面積の3分の1を店舗として使用しても、なお2分の1以上がもっぱら適用を受ける者の居住の用に供されていれば、適用を受けることができる(租税特別措置法第70条の2第2項第2号、第70条の3第3項第2号)。
4 住宅取得のための資金の贈与を受けた年の12月31日までに住宅用の家屋を新築若しくは取得又は増改築等をしなければ、この特例の適用を受けることはできない。
誤り。本肢の特例を受けるための住宅用家屋の新築もしくは取得または増改築等は、資金を取得した日の属する年の翌年3月15日までになされなければならない(租税特別措置法第70条の2、第70条の3)。

2004年(平成16年)

〔問 27(改)〕 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例(「60歳未満の親からの贈与についても相続時精算課税の選択を可能とする措置」及び「住宅取得等資金の贈与に限り相続時精算課税の特別控除(2,500万円)が認められる措置」)に関する次の記述のうち、正しいものを選べ。
1(改) 増改築のために金銭の贈与を受けた場合には、増築による床面積の増加が50平方メートル以上であるか、その工事に要した費用の額が1,000万円以上でなければこの特例の対象とはならない。
誤り。増改築のために金銭の贈与を受けて相続時精算課税の特例が適用されるには、面積要件は、工事をした居住の用に供される家屋の床面積が50平方メートル以上であり、費用要件は工事費用が100万以上であることが必要である(租税特別措置法第70条の3第1項、施行令第40条の5)。
2 住宅取得等資金の贈与を受けた者が、その贈与を受けた日前5年以内に、その者又はその者の配偶者の所有する住宅用家屋に居住したことがある場合には、この特例の適用を受けることはできない。
誤り。本肢のような要件はない(租税特別措置法第70条の3)。
3 住宅取得等資金の贈与を受けた者について、その贈与を受けた年の所得税法に定める合計所得金額が1,200万円を超えている場合でも、この特例の適用を受けることができる。
正しい。所得要件は定められていない(租税特別措置法第70条の3)。
4 この特例の対象となる既存住宅用家屋は、マンション等の耐火建築物である場合には築後30年以内、耐火建築物以外の建物である場合には築後25年以内のものに限られる。
誤り。原則として、耐火建築物である場合には築後25年以内、耐火建築物以外の建物である場合には築後20年以内となっている。なお、地震に対する安全性に係る基準に適合するものとして、一定の「耐震基準適合証明書」、「住宅性能評価書の写し」又は、既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類により証明されたものであることを満たす場合など、築後経過年数を問わない例外もある(租税特別措置法第70条の3)。

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