民法第985条(遺言の効力の発生時期)

2006年(平成18年)

【問 12】 成年Aには将来相続人となるB及びC (いずれも法定相続分は2分の1) がいる。Aが所有している甲土地の処分に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
3 Aが 「甲土地全部をBに相続させる」 旨の有効な遺言をして死亡し、甲土地以外の相続財産についての遺産分割協議の成立前にBがCの同意なく甲土地を第三者Dに売却した場合、特段の事情がない限り、CはBD間の売買契約を無権代理行為に準じて取り消すことができる。
誤り。特定の者に特定の財産を相続させる旨の遺言があった場合、遺産分割方法の指定があったとみなされ、特段の事情がない限り、遺産分割協議を経ることなくAの死亡後直ちにその相続人に所有権が帰属する(民法第985条第1項、判例)。したがって、Bは自分の土地を売ったにすぎない。

1994年(平成6年)

【問 13】 遺言に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 遺言に停止条件が付けられた場合、その条件が遺言者の死亡後成就しても、遺言の効力は生じない。
誤り。遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる(民法第985条第2項)。
2 遺言は、家庭裁判所の検認の手続きを経なければ、効力を生じない。
誤り。遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる(民法第985条第1項)。公正証書による遺言を除き、遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならないが、これは遺言の偽造を防止するための手続きであり、効力の発生要件ではない(同法第1004条)。

関係法令

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