民法第939条(相続の放棄の効力)

1993年(平成5年)

【問 13】 Aが、5,000万円相当の土地と5,500万円の負債を残して死亡した。Aには、弟B、母C、配偶者D及びDとの間の子E・F・G並びにEの子Hがいる。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
2 Eが相続放棄をしたときは、Hが、代襲して相続人となる。
誤り。相続放棄をしたときは、代襲相続はおこらない(民法第939条)。

1992年(平成4年)

【問 13】 遺言に関する次のそれぞれの記述は、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
4 遺言者が遺贈をしても、受遺者が遺贈の放棄をしたときは、遺言に別段の意思表示がない限り、受遺者が受けるべきであったものは、相続人に帰属する。
正しい。遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる(民法第986条第2項)。遺贈の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされるため、代襲相続もされず、その放棄分は、本来の相続人に帰属する(同法第939条)。

1990年(平成2年)

【問 11】 Aが死亡し、相続人として、妻Bと嫡出子C・D・Eがいる。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
1 Cが相続を放棄した場合、DとEの相続分は増えるが、Bの相続分については変わらない。
正しい。本肢記述のとおり(民法第887条、第890条、第900条、第939条)。

1989年(平成1年)

【問 11(改)】 Xは、9,000万円の遺産を残して死亡した。Xには、配偶者YとYとの間の子Aがある。XとYとの間には、Aのほかに子Bもいたが、BはX死亡の前に既に死亡しており、その子bが残されている。さらに、Xには、非嫡出子Cもいる。また、Aには子aがおり、AはX死亡後直ちに相続を放棄した。この場合の民法の規定に基づく法定相続人に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 Yが6,000万円、Cが3,000万円の相続分を取得する。
本問の場合、相続人は、Y、b、Cである。それぞれの相続分は、出題当時は、Yが4,500万円、bが3,000万円、Cが1,500万円となる(民法第887条、第890条、第900条、第901条、第939条)。なお、民法の一部を改正する法律(平成25年12月11日法律第94号)により、平成25年9月5日以後に開始した相続については、民法第900条第4号ただし書きの規定から「嫡出でない子の相続分は、嫡出である相続分の2分の1とし」という文言が削除された。仮に、本問の相続が平成25年9月5日以後に開始した相続であるときは、相続人はY、b、Cで変わらないが、その相続分は、Yが4,500万円、bが2,250万円、Cが2,250万円となる。
2 Yが4,500万円、bが4,500万円の相続分を取得する。
誤り。第1肢の解説参照(民法第887条、第890条、第900条、第901条、第939条)。
3 Yが4,500万円、bが3,000万円、Cが1,500万円の相続分を取得する。
出題当時は正しい。第1肢の解説参照(民法第887条、第890条、第900条、第901条、第939条)。
4 Yが4,500万円、aが1,800万円、bが1,800万円、Cが900万円の相続分を取得する。
誤り。第1肢の解説参照(民法第887条、第890条、第900条、第901条、第939条)。

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