民法第901条(代襲相続人の相続分)

2013年(平成25)

【問 10】 婚姻中の夫婦AB間には嫡出子CとDがいて、Dは既に婚姻しており嫡出子Eがいたところ、Dは平成25年10月1日に死亡した。他方、Aには離婚歴があり、前の配偶者との間の嫡出子Fがいる。Aが平成25年10月2日に死亡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Aが死亡した場合の法定相続分は、Bが2分の1、Cが5分の1、Eが5分の1、Fが10分の1である。
誤り。Aが死亡した場合の法定相続分は、Bが2分の1、Cが6分の1、Eが6分の1(Dの相続分を代襲相続)、Fが6分の1である(民法第887条、第900条、第901条)。

2012年(平成24年)

【問 10】 Aは未婚で子がなく、父親Bが所有する甲建物にBと同居している。Aの母親Cは平成23年3月末日に死亡している。AにはBとCの実子である兄Dがいて、DはEと婚姻して実子Fがいたが、Dは平成24年3月末日に死亡している。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Bが死亡した場合の法定相続分は、Aが2分の1、Eが4分の1、Fが4分の1である。
誤り。Bが死亡した場合、Bの配偶者Cはすでに死亡しているため、Bの子がその財産を相続する。しかし、Bの子Dもすでに死亡しているため、Dの相続分はDの子(Bからみると孫)Fが代襲相続する。したがって、Bの財産は、Bの子Aが2分の1、Bの孫Fが2分の1の割合で相続するが、Eには相続分はない(民法第887条、第900条、第901条)。

2001年(平成13年)

【問 11】 被相続人Aの相続人の法定相続分に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
4 Aに子が3人あり、Aの死亡の際、2人は存命であったが、1人は既に死亡していた。その死亡した子には2人の嫡出子H、Iがいた。A死亡の際、配偶者もいなかった場合、Hの法定相続分は6分の1である。
正しい。本肢記述のとおり(民法第901条)。

1996年(平成8年)

【問 10】 居住用建物を所有するAが死亡した場合の相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Aに、配偶者B、Bとの婚姻前に縁組した養子C、Bとの間の実子D(Aの死亡より前に死亡)、Dの実子E及びFがいる場合、BとCとEとFが相続人となり、EとFの法定相続分はいずれも8分の1となる。
正しい。本肢記述のとおり。それぞれの相続分は、Bは2分の1(法定相続分)、Cは2分の1(法定相続分)×2分の1(CとDで2等分)=4分の1、EとFは2分の1(法定相続分)×2分の1(CとDで2等分)×2分の1(EとFで2等分)=8分の1となる(民法第887条、第890条、第900条、第901条)。

1989年(平成1年)

【問 11(改)】 Xは、9,000万円の遺産を残して死亡した。Xには、配偶者YとYとの間の子Aがある。XとYとの間には、Aのほかに子Bもいたが、BはX死亡の前に既に死亡しており、その子bが残されている。さらに、Xには、非嫡出子Cもいる。また、Aには子aがおり、AはX死亡後直ちに相続を放棄した。この場合の民法の規定に基づく法定相続人に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 Yが6,000万円、Cが3,000万円の相続分を取得する。
本問の場合、相続人は、Y、b、Cである。それぞれの相続分は、出題当時は、Yが4,500万円、bが3,000万円、Cが1,500万円となる(民法第887条、第890条、第900条、第901条、第939条)。なお、民法の一部を改正する法律(平成25年12月11日法律第94号)により、平成25年9月5日以後に開始した相続については、民法第900条第4号ただし書きの規定から「嫡出でない子の相続分は、嫡出である相続分の2分の1とし」という文言が削除された。仮に、本問の相続が平成25年9月5日以後に開始した相続であるときは、相続人はY、b、Cで変わらないが、その相続分は、Yが4,500万円、bが2,250万円、Cが2,250万円となる。
2 Yが4,500万円、bが4,500万円の相続分を取得する。
誤り。第1肢の解説参照(民法第887条、第890条、第900条、第901条、第939条)。
3 Yが4,500万円、bが3,000万円、Cが1,500万円の相続分を取得する。
出題当時は正しい。第1肢の解説参照(民法第887条、第890条、第900条、第901条、第939条)。
4 Yが4,500万円、aが1,800万円、bが1,800万円、Cが900万円の相続分を取得する。
誤り。第1肢の解説参照(民法第887条、第890条、第900条、第901条、第939条)。

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