民法第722条(損害賠償の方法及び過失相殺)

2012年(平成24年)

【問 9】 Aに雇用されているBが、勤務中にA所有の乗用車を運転し、営業活動のため得意先に向かっている途中で交通事故を起こし、歩いていたCに危害を加えた場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
4 Cが幼児である場合には、被害者側に過失があるときでも過失相殺が考慮されないので、AはCに発生した損害の全額を賠償しなければならない。
誤り。幼児や精神障害者などの責任無能力者が損害を被った場合、被害者自身に過失がなくても、被害者を監督すべき義務がある者に過失があった場合には、過失相殺をすることができるかという問題に対して、判例は、監督義務者の過失を「被害者側の過失」と考えて過失相殺を認めている(最判S42.6.27など)。したがって、本肢の場合、被害者側の過失が考慮されることはある(民法第715条、第722条第2項)。

2000年(平成12年)

【問 8】 Aが、その過失によってB所有の建物を取り壊し、Bに対して不法行為による損害賠償債務を負担した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Aの不法行為に関し、Bにも過失があった場合でも、Aから過失相殺の主張がなければ、裁判所は、賠償額の算定に当たって、賠償金額を減額することができない。
誤り。裁判所は、加害者が過失相殺を主張しなくても、斟酌できる(民法第722条第2項、判例)。

関係法令

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