民法第398条の3(根抵当権の被担保債権の範囲)

2011年(平成23年)

【問 4】 根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 根抵当権者は、総額が極度額の範囲内であっても、被担保債権の範囲に属する利息の請求権については、その満期となった最後の2年分についてのみ、その根抵当権を行使することができる。
誤り。根抵当権は極度額の範囲内であれば最後の2年分に限らず全て担保される(民法第398条の3第1項)。

2007年(平成19年)

【問 8】 Aは、自己所有の甲不動産につき、B信用金庫に対し、極度額を3,000万円、被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」とする第1順位の根抵当権を設定し、その旨の登記をした。なお、担保すべき元本の確定期日は定めなかった。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
3 B信用金庫は、確定した元本が極度額以下であれば、その元本に係る最後の2年分の約定金利については、極度額を超えても、根抵当権を行使できる。
誤り。根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる(民法第398条の3第1項)。

2003年(平成15年)

【問 6】 普通抵当権と元本確定前の根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
4 普通抵当権でも、根抵当権でも、遅延損害金については、最後の2年分を超えない利息の範囲内で担保される。
誤り。普通抵当権の記述は正しいが、根抵当権は極度額の範囲内であれば最後の2年分に限らず全て担保される(民法第375条、第398条の3第1項)。

2000年(平成12年)

【問 5】 根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
3 登記された極度額が1億円の場合、根抵当権者は、元本1億円とそれに対する最後の2年分の利息及び損害金の合計額につき、優先弁済を主張できる。
誤り。極度額1億円を限度として優先弁済を主張できる(民法第398条の3第1項)。

1996年(平成8年)

【問 7】 貸付金債権を担保するための根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
2 登記された極度額が1億円で、貸付金債権の元本も1億円で確定した場合、根抵当権者は、1億円と満期となった最後の2年分の利息及び損害金の額の合計額について、根抵当権に基づく優先弁済権を主張することができる。
誤り。根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる(民法第398条の3第1項)。本肢の場合、満期となった最後の2年分の利息及び損害金の額は極度額を超えており、優先弁済権を主張することはできない。
3 貸付金債権の元本が確定した場合、根抵当権者は、確定期日の被担保債権額のほか、確定期日後に生じた利息及び損害金についても、登記された極度額に達するまで、根抵当権に基づく優先弁済権を主張することができる。
正しい。根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる(民法第398条の3第1項)。

関係法令

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