民法第398条の2(根抵当権)

2014年(平成26年)

【問 4】 AがBとの間で、CのBに対する債務を担保するためにA所有の甲土地に抵当権を設定する場合と根抵当権を設定する場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 抵当権を設定する場合には、被担保債権を特定しなければならないが、根抵当権を設定する場合には、BC間のあらゆる範囲の不特定の債権を極度額の限度で被担保債権とすることができる。
誤り。抵当権を設定する場合には、被担保債権を特定しなければならない(民法第369条第1項)。したがって、抵当権に関する記述は正しい。一方、根抵当権については、「抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。」と定められている(同法第398条の2第1項)。根抵当権の被担保債権は「一定の範囲に属する」ものでなければならず、本肢のように「あらゆる範囲の不特定の債権」とするいわゆる包括根抵当は認められていない。本肢は根抵当に関する記述が誤りである。

2007年(平成19年)

【問 8】 Aは、自己所有の甲不動産につき、B信用金庫に対し、極度額を3,000万円、被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」とする第1順位の根抵当権を設定し、その旨の登記をした。なお、担保すべき元本の確定期日は定めなかった。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
4 Aが友人CのためにB信用金庫との間で保証契約を締結し保証債務を負担した場合、B信用金庫のAに対するこの保証債権は、「信用金庫取引による債権」に含まれ、この根抵当権で担保される。
正しい。被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」として設定された根抵当権の被担保債権には、信用金庫の根抵当債務者に対する保証債権も含まれる(民法第398条の2、判例)。

2003年(平成15年)

【問 6】 普通抵当権と元本確定前の根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 普通抵当権でも、根抵当権でも、設定契約を締結するためには、被担保債権を特定することが必要である。
誤り。抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる(民法第398条の2)。
2 普通抵当権でも、根抵当権でも、現在は発生しておらず、将来発生する可能性がある債権を被担保債権とすることができる。
正しい。本肢記述のとおり(民法第369条、第398条の2、判例)。

2000年(平成12年)

【問 5】 根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 根抵当権は、根抵当権者が債務者に対して有する現在及び将来の債権をすべて担保するという内容で、設定することができる。
誤り。本肢のようないわゆる「包括根抵当権」は禁止されている(民法第398条の2第1項)。

1996年(平成8年)

【問 7】 貸付金債権を担保するための根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 根抵当権は、債権者が債務者に対して将来有することとなる不特定の貸付金債権であっても、それが一定の種類の取引によって生ずるものに限定されているときは、その極度額の限度において担保するために設定することができる。
正しい。抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。この規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない(民法第398条の2第1項・第2項)。

1991年(平成3年)

【問 7】 不動産を目的とする担保物権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
2 不動産を目的とする担保物権の中には、被担保債権が将来のものであっても、存在するものがある。
正しい。抵当権や根抵当権が該当する(民法第369条、第398条の2、判例)。

1989年(平成1年)

【問 5】 根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 根抵当権者は、元本の確定前において、同一の債務者に対する他の債権者の利益のために、その順位を譲渡することができる。
誤り。元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権の処分をすることができない(民法第398条の2第1項)。本肢の順位の譲渡はすることができない。

関係法令

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