民法第283条(地役権の時効取得)

2013年(平成25)

【問 3】 甲土地の所有者Aが、他人が所有している土地を通行することに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
4 甲土地の隣接地の所有者が自らが使用するために当該隣接地内に通路を開設し、Aもその通路を利用し続けると、甲土地が公道に通じていない場合には、Aは隣接地に関して時効によって通行地役権を取得することがある。
誤り。地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる(民法第283条)。判例では、近隣の人が通路を開設しないで空地を通行し、そこで自然に道路となったような場合には通行地役権の時効取得を認めるべきではないとしている(大判S2・9・19)。また、継続の要件としては、承役地である他人所有の土地の上に通路の開設があっただけでは足りず、その開設が要役地所有者によってなされることを要するとしている(最判S30・12・26)。本肢は、甲土地の隣接地の所有者(承役地の所有者に該当する)が通路を開設しており、A(要役地所有者に該当する)自身によって開設されていないため、Aは、時効によって通行地役権を取得することはできない。

2010年(平成22年)

【問 3】 所有権及びそれ以外の財産権の取得時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
4 通行地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。
正しい。地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる(民法第283条)。

2002年(平成14年)

【問 4】 Aは、自己所有の甲土地の一部につき、通行目的で、隣地乙土地の便益に供する通行地役権設定契約(地役権の付従性について別段の定めはない。)を、乙土地所有者Bと締結した。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
4 Bが、契約で認められた部分ではない甲土地の部分を、継続かつ表現の形で、乙土地の通行の便益のために利用していた場合でも、契約で認められていない部分については、通行地役権を時効取得することはできない。
誤り。地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる(民法第283条)。

関係法令

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