民法第196条(占有者による費用の償還請求)

2002年(平成14年)

【問 3】 売主A、買主B間の建物売買契約(所有権移転登記は行っていない。)が解除され、建物の所有者Aが、B居住の建物をCに売却して所有権移転登記をした場合に関する次の記述は、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
2 Bが建物占有中に、地震によって玄関のドアが大破したので修繕し、その費用を負担した場合でも、BはCに対してその負担額の償還を請求することはできない。
誤り。占有者Bが占有物を返還する場合には、その物の保存のために支出した金額その他の必要費を回復者Cから償還させることができる(民法第196条第1項)。

1991年(平成3年)

【問 13】 AがBからBの所有する建物を賃借している場合に関する次の記述は、民法及び借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。
3 Aは、有益費を支出したときは、賃貸借終了の際、その価格の増加が現存する場合に限り、自らの選択によりその費した金額又は増加額の償還を請求できる。
誤り。賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第196条第2項の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる(民法第608条第2項)。占有者(A)が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者(B)の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる(同法第196条第2項)。選択をするのはBであり、本肢のようにAではない。

関係法令

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