民法第187条(占有の承継)

2015年(平成27年)

【問 4】 A所有の甲土地を占有しているBによる権利の時効取得に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
2 Bの父が11年間所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を占有した後、Bが相続によりその占有を承継し、引き続き9年間所有の意思をもって平穏かつ公然に占有していても、Bは、時効によって甲土地の所有権を取得することはできない。
誤り。占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる(民法第187条第1項)。したがって、Bは、父の占有を併せて主張することにより、時効によって甲土地の所有権を取得することができる(同法第162条第1項)。

2004年(平成16年)

【問 5】 A所有の土地の占有者がAからB、BからCと移った場合のCの取得時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Bが平穏・公然・善意・無過失に所有の意思をもって8年間占有し、CがBから土地の譲渡を受けて2年間占有した場合、当該土地の真の所有者はBではなかったとCが知っていたとしても、Cは10年の取得時効を主張できる。
正しい。本肢記述のとおり(民法第162条、第187条)。
2 Bが所有の意思をもって5年間占有し、CがBから土地の譲渡を受けて平穏・公然に5年間占有した場合、Cが占有の開始時に善意・無過失であれば、Bの占有に瑕疵があるかどうかにかかわらず、Cは10年の取得時効を主張できる。
誤り。前主Bが占有開始時点で悪意または有過失ならば前主Bの占有開始から20年を経過しないと取得時効を主張できない(民法第162条、第187条)。

1998年(平成10年)

【問 2】 所有の意思をもって、平穏かつ公然にA所有の甲土地を占有しているBの取得時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Bの父が15年間所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を占有し、Bが相続によりその占有を承継した場合でも、B自身がその後5年問占有しただけでは、Bは、時効によって甲土地の所有権を取得することができない。
誤り。Bは、承継した父の占有期間を承継することができるので、父の15年間と自分の5年間を併せて時効による甲土地の取得を主張することができる。ただし、前主(父)の占有を併せて主張する場合は、その瑕疵(悪意・過失)も承継することに注意しよう(民法第162条、第187条)。

関係法令

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