民法第147条(時効の中断事由)

2009年(平成21年)

【問 3】 Aは、Bに対し建物を賃貸し、月額10万円の賃料債権を有している。この賃料債権の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 Aが、Bに対する賃料債権につき支払督促の申立てをし、さらに期間内に適法に仮執行の宣言の申立てをしたときは、消滅時効は中断する。
正しい。時効は請求により中断するが、この請求には「支払督促」も含まれる(民法第147条第1号)。支払督促は、債権者が民事訴訟法第392条に規定する期間内(30日以内)に仮執行の宣言の申立てをしないことによりその効力を失うときは、時効の中断の効力を生じない(民法第150条)。本肢は、期間内に適法に仮執行の申し立てをしているので、消滅時効は中断する。

2000年(平成12年)

【問 2】 Aは、BのCに対する金銭債務を担保するため、A所有の土地に抵当権を設定し、物上保証人となった。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
2 Aが、Cに対し、この金銭債務が存在することを時効期間の経過前に承認した場合、当該債務の消滅時効の中断の効力が生じる。
誤り。物上保証人Aが債権者Cに対して債務の承認をしたとしても、「債務の承認」にはならない(民法第147条、判例)。
3 Bが、Cに対し、この金銭債務が存在することを時効期間の経過前に承認した場合、Aは、当該債務の消滅時効の中断の効力を否定することができない。
正しい。本肢記述のとおり(民法第147条、判例)。

1997年(平成9年)

【問 4】 AがBに対して有する100万円の貸金債権の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
4 AがBの不動産に抵当権を有している場合に、Dがこの不動産に対して強制執行の手続を行ったときは、Aがその手続に債権の届出をしただけで、Aの債権の時効は中断する。
誤り。本肢の行為は、時効の中断事由には該当しない(民法第147条、判例)。

1995年(平成7年)

【問 3(改)】 AのBに対する債権(連帯保証人C)の時効の中断に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
4 BがAに対して債務の承認をした場合、Bが被保佐人であって、保佐人の同意を得ていなくても、時効中断の効力を生じる。
正しい。本肢記述のとおり(民法第13条、第147条第3号)。被保佐人や被補助人が単独で承認しても時効は中断するが、未成年者や成年被後見人が法定代理人の同意なくして承認しても時効は中断しない(判例)。

1989年(平成1年)

【問 2】 Aは、Bに対し金銭債権を有しているが、支払い期日を過ぎてもBが支払いをしないので、消滅時効が完成する前に、Bに対して、支払いを求める訴えを提起した。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。なお、この金銭債権の消滅時効期間は、5年とする。
2 訴えの提起前6月以内に、AがBに債務の履行の催告をしても、時効が中断されるのは、訴えを提起したときである。
誤り。時効が中断されるのは、催告の時である(民法第147条第1号、第153条)。

関係法令

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