民法第90条(公序良俗)

1996年(平成8年)

【問 5】 A所有の土地について、AがBに、BがCに売り渡し、AからBへ、BからCへそれぞれ所有権移転登記がなされた場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
2 Cが移転登記を受ける際に、AB間の売買契約が公序良俗に反し無効であることを知らなかった場合、Cは、Aに対して土地の所有権の取得を対抗できる。
誤り。公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする(民法第90条)。AB間の売買契約が公序良俗に反して無効である場合、この無効は誰に対しても主張することができる。したがって、Aは、BだけでなくCに対しても無効であることを主張することができる。

1994年(平成6年)

【問 2】 Aは、「近く新幹線が開通し、別荘地として最適である」旨のBの虚偽の説明を信じて、Bの所有する原野(時価20万円)を、別荘地として2,000万円で購入する契約を締結した。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
1 Aは、当該契約は公序良俗に反するとして、その取消しを主張するとともに、Bの不法行為責任を追及することができる。
誤り。公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする(民法第90条)。したがって、「取消しを主張する」という本肢は誤りとなる。なお、不法行為責任の追及はすることができる(同法第709条)。

関係法令

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