民法第108条(自己契約及び双方代理)
2012年(平成24年)
- 【問 2】 代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 3 不動産の売買契約に関して、同一人物が売主及び買主の双方の代理人となった場合であっても、売主及び買主の双方があらかじめ承諾をしているときには、当該売買契約の効果は両当事者に有効に帰属する。
- 正しい。同一の法律行為については、当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない(民法第108条)。本肢の場合、売主及び買主の双方があらかじめ許諾しているので、その効果が両当事者に有効に帰属する。
2010年(平成22年)
- 【問 2】 AがA所有の甲土地の売却に関する代理権をBに与えた場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、表見代理は成立しないものとする。
- 4 Bが売主Aの代理人であると同時に買主Dの代理人としてAD間で売買契約を締結しても、あらかじめ、A及びDの承諾を受けていれば、この売買契約は有効である。
- 正しい。同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない(民法第108条)。本肢では、A及びDの承諾を得ていれば、双方代理は禁止されない。
2009年(平成21年)
- 【問 2】 AがA所有の土地の売却に関する代理権をBに与えた場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 4 Bは、Aに損失が発生しないのであれば、Aの意向にかかわらず、買主Fの代理人にもなって、売買契約を締結することができる。
- 誤り。同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない(民法第108条)。本肢の場合、A及びFが許諾しているわけではないので、Bは、AとF双方の代理人となることはできない。
2008年(平成20年)
- 【問 3】 AがBの代理人としてB所有の甲土地について売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 1 Aが甲土地の売却を代理する権限をBから書面で与えられている場合、A自らが買主となって売買契約を締結したときは、Aは甲土地の所有権を当然に取得する。
- 誤り。自己契約は原則として無権代理であり、Aが当然に甲土地の所有権を取得するわけではない(民法第108条)。
- 2 Aが甲土地の売却を代理する権限をBから書面で与えられている場合、AがCの代理人となってBC間の売買契約を締結したときは、Cは甲土地の所有権を当然に取得する。
- 誤り。双方代理は原則として無権代理であり、Cが当然に甲土地の所有権を取得するわけではない(民法第108条)。
2000年(平成12年)
- 【問 1】 Aが、Bに代理権を授与してA所有の土地を売却する場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 3 Bは、Aの同意がなければ、この土地の買主になることができない。
- 正しい。本肢記述のとおり(民法第108条)。
1996年(平成8年)
- 【問 2】 Aが、Bの代理人として、Cとの間でB所有の土地の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 1 AがBから土地売買の代理権を与えられていた場合で、所有権移転登記の申請についてCの同意があったとき、Aは、B及びC双方の代理人として登記の申請をすることができる。
- 正しい。同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない(民法第108条)。B及びC双方の代理人として登記の申請をすることは、債務の履行に準じるものとされ、双方代理禁止の規定に違反しない(判例)。
1991年(平成3年)
- 【問 3】 AがBから代理権を与えられて、契約を締結し、又は締結しようとする場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 3 AがBからB所有地の売却の代理権を与えられている場合、Aは、Bの同意がなければ、自ら買主となることができない。
- 正しい。本肢記述のとおり(民法第108条)。
- 4 AがBからB所有建物の賃貸の代理権を与えられている場合、Aは、B及び賃借人Dの同意があれば、Dの代理人にもなることができる。
- 正しい。本肢記述のとおり(民法第108条)。
1990年(平成2年)
- 【問 5】 Aは、Bの代理人として、C所有の土地についてCと売買契約を締結したが、その際、次に掲げるような事情があった場合、民法の規定および判例によれば、誤っているものはどれか。
- 2 AがBに隠れて当該土地の売買についてCからも代理権を与えられていた場合は、当該契約は効力を生じない。
- 正しい。双方代理にあたる(民法第108条)。
関係法令
- 民法(外部リンク)