民法第3条(権利能力)

2013年(平成25年)

【問 2】 未成年者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 父母とまだ意思疎通することができない乳児は、不動産を所有することができない。
誤り。私権の享有は、出生に始まる(民法第3条第1項)。父母とまだ意思疎通することができない乳児であってもすでに出生しており、権利や義務の主体となることができる。したがって、不動産の所有者となることもできる。

関係法令

法令解説

  • 権利能力とは、権利を有し、義務を負うことができる人の資格をいう。権利能力は義務能力でもある。
  • 出生の意味…全部露出をもって出生とする。

判例

  • 胎児を代理してなされた和解契約の効力を否定した(大判昭7・10・6 阪神電鉄事件)。
  • 相続登記については、胎児もこれをなしえ、その場合は未成年者の法定代理の規定が類推適用される(登記先例)。
  • 戸籍簿の記載は、出生及びその時期に関する有力な証拠であるが、これは実体関係を左右するものではなく、この記載と異なる主張も許される(大判明41・10・9)。

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