宅地建物取引業法第46条(報酬)

2015年(平成27年)

【問 33】 宅地建物取引業者A及びB(ともに消費税課税事業者)が受領した報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものの組合せはどれか。なお、この問において「消費税等相当額」とは、消費税額及び地方消費税額に相当する金額をいうものとする。
ア 土地付新築住宅(代金3,000万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aは売主から代理を、Bは買主から媒介を依頼され、Aは売主から207万3,600円を、Bは買主から103万6,800円を報酬として受領した。
違反する。本肢の場合、A及びBが受領する報酬の合計額が消費税相当額込みで207万3,600円を超えることができない(宅地建物取引業法第46条第1項・第2項、告示第3)。したがって、Aが売主から207万3,600円を受領しているのであれば、Bは買主から報酬を受領してはならない。
≪計算式≫
3,000万円×3%+6万円=96万円
96万円×2=192万円
192万円×1.08=207万円3,600円。
イ Aは、店舗用建物について、貸主と借主双方から媒介を依頼され、借賃1か月分20万円(消費税等相当額を含まない。)、権利金500万円(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないもので、消費税等相当額を含まない。)の賃貸借契約を成立させ、貸主と借主からそれぞれ22万5,000円を報酬として受領した。
違反しない。本肢の場合、権利金を売買代金とみなして報酬計算をすることができ、この場合の方が借賃1か月分20万円よりも多く報酬を受領することができる。500万円をもとに報酬計算をするとAは、貸主と借主からそれぞれ22万6,800円を限度として報酬として受領することができる(宅地建物取引業法第46条第1項・第2項、告示第6)。
≪計算式≫
500万円×3%+6万円=21万円
21万円×1.08=22万6,800円
ウ 居住用建物(借賃1か月分10万円)について、Aは貸主から媒介を依頼され、Bは借主から媒介を依頼され、Aは貸主から8万円、Bは借主から5万4,000円を報酬として受領した。なお、Aは、媒介の依頼を受けるに当たって、報酬が借賃の0.54か月分を超えることについて貸主から承諾を得ていた。
違反する。本肢の場合、A及びBが受領する報酬の合計額が消費税相当額込みで10万8,000円を超えることができない(宅地建物取引業法第46条第1項・第2項、告示第4)。これは、Aが、媒介の依頼を受けるに当たって、報酬が借賃の0.54か月分を超えることについて貸主から承諾を得ていた場合であっても同様である。

2014年(平成26年)

【問 37】 宅地建物取引業者A及び宅地建物取引業者B(共に消費税課税事業者)が受け取る報酬に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア Aが居住用建物の貸借の媒介をするに当たり、依頼者からの依頼に基づくことなく広告をした場合でも、その広告が貸借の契約の成立に寄与したとき、Aは、報酬とは別に、その広告料金に相当する額を請求できる。
誤り。宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し、国土交通大臣が定めた報酬告示第2から第6までの規定によるほか、報酬を受けることができない。ただし、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、この限りでない(宅地建物取引業法第46条第1項・第2項、報酬告示第7)。本肢の場合、依頼者からの依頼に基づくことなく広告をしているため、報酬とは別に、その広告料金に相当する額を請求することはできない。
イ Aは売主から代理の依頼を受け、Bは買主から媒介の依頼を受けて、代金4,000万円の宅地の売買契約を成立させた場合、Aは売主から272万1,600円、Bは買主から136万800円の報酬をそれぞれ受けることができる。
誤り。ひとつの取引に複数の宅地建物取引業者が関与した場合(本肢の場合はABが関与している)、ABが受領することができる報酬の限度額は、両者を合計して媒介の一方から受領することができる額の2倍以内である(宅地建物取引業法第46条第1項・第2項、報酬告示第2・第3)。本肢の場合、(4,000万円×3%+6万円)×2×1.08=272万1,600円がひとつの取引における報酬の限度額である。したがって、Aが売主から272万1,600円、Bが買主から136万800円の報酬をそれぞれ受けると、この限度額を超えてしまう。
ウ Aは貸主から、Bは借主から、それぞれ媒介の依頼を受けて、共同して居住用建物の賃貸借契約を成立させた場合、貸主及び借主の承諾を得ていれば、Aは貸主から、Bは借主からそれぞれ借賃の1.08か月分の報酬を受けることができる。
誤り。居住用建物の貸借の媒介の場合は、依頼者の承諾がないときは、それぞれから借賃の1月分の0.54倍までの報酬を受領することができる。本肢のように貸主および借り主の双方の承諾があった場合であっても、ひとつの取引でABが受領できる報酬の限度額は、両者を合計して借賃の1月分+消費税相当額までである(宅地建物取引業法第46条第1項・第2項、報酬告示第4)。本肢は、ABをあわせると2月分の報酬+消費税相当額を受領することになるので、違反となる。

2013年(平成25年)

【問 37(改)】 宅地建物取引業者A社(消費税課税事業者)は売主Bから土地付建物の売却の代理の依頼を受け、宅地建物取引業者C社(消費税課税事業者)は買主Dから戸建住宅の購入の媒介の依頼を受け、BとDの間で売買契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはいくつあるか。なお、土地付建物の代金は5,340万円(うち、土地代金は2,100万円)で消費税額及び地方消費税額を含むものとする。
ア A社はBから3,440,000円の報酬を受領し、C社はDから1,720,000円の報酬を受領した。
違反する。本問の場合、建物の本体価格は3,000万円であるから、(3,000万円+2,100万円)×3%+6万円=159万円が媒介の依頼者の一方から受領できる限度額となる。代理の場合はこの2倍の318万円である。本問では、A社もC社も消費税の課税事業者であるから8%を上乗せして媒介の場合は、171万7,200円、代理の場合(及びBD間の売買における限度額)は、343万4,400円となる(宅地建物取引業法第46条第1項・第2項、報酬告示第2・第3)。本肢では、A社もC社も限度額を超えて報酬を受領しているため、宅地建物取引業法の規定に違反する。
イ A社はBから2,200,000円の報酬を受領し、C社はA社及びDの了承を得た上でDから1,239,000円の報酬を受領した。
違反する。本肢の場合、A社とC社が受領する報酬の合計額が343万9,000円となる。アの解説にもあるように、両社が受領できる報酬の合計額は343万4,400円であり、本肢はこの限度額を超えているため、宅地建物取引業法の規定に違反する(宅地建物取引業法第46条第1項・第2項、報酬告示第2・第3)。
ウ A社はBから1,660,000円の報酬を受領し、C社はDから1,669,500円を報酬として受領したほか、Dの特別の依頼に基づき行った遠隔地への現地調査に要した特別の費用について、Dが事前に負担を承諾していたので、50,000円を受領した。
違反しない。本肢の場合は、A社もC社も限度額を超えて報酬を受領していない。また、Dの特別の依頼に基づき行った遠隔地への現地調査に要した特別の費用について、Dが事前に負担を承諾していたので、50,000円を受領したとあるが、これも違反とはならない(宅地建物取引業法第46条第1項・第2項、報酬告示第2・第3・第7)。

2012年(平成24年)

【問 35(改)】 宅地建物取引業者A社(消費税課税事業者)は売主Bから土地付中古別荘の売却の代理の依頼を受け、宅地建物取引業者C社(消費税課税事業者)は買主Dから別荘用物件の購入に係る媒介の依頼を受け、BとDの間で当該土地付中古別荘の売買契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものの組合せはどれか。なお、当該土地付中古別荘の売買代金は316万円(うち、土地代金は100万円)で、消費税額及び地方消費税額を含むものとする。
ア A社がBから受領する報酬の額によっては、C社はDから報酬を受領することができない場合がある。
正しい。A社がBから代理の場合の報酬の限度額にあたる30万2,400円を受領する場合は、C社はDから報酬を受領することができない(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第3)。
イ A社はBから、少なくとも151,200円を上限とする報酬を受領することができる。
正しい。A社の代理の報酬の限度額は、30万2,400円である。計算式は、300万円(建物の消費税などを除く)×4%+2万円=14万円。14万円×2=28万円。28万円×1.08=30万2,400円となる。したがって、この範囲内でA社がBから報酬を受領することは認められているため仮にC社が媒介報酬の限度額である151,200円を受領したとしても、A社はBから151,200円を受領することは可能である(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第3)。
ウ A社がBから100,000円の報酬を受領した場合、C社がDから受領できる報酬の上限額は202,400円である。
誤り。C社の媒介の報酬の限度額は(300万円×4%+2万円)×1.08=15万1,200円であり、202,400円を受領することはできない(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。
エ A社は、代理報酬のほかに、Bからの依頼の有無にかかわらず、通常の広告の料金に相当する額についても、Bから受け取ることができる。
誤り。依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、報酬とは別に受領することができる(宅地建物取引業法第46条、報酬告示第7)。依頼者の依頼の有無にかかわらず受領できるわけではない。

2011年(平成23年)

【問 36】 宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
3 宅地建物取引業者は、建物の貸借の媒介において広告を行った場合には、依頼者の依頼の有無にかかわらず、報酬とは別に、当該広告の料金に相当する額を受領することができる。
誤り。依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、報酬とは別に受領することができる(宅建業法第46条、報酬告示第7)。依頼者の依頼の有無にかかわらず受領できるわけではない。
【問 40(改)】 宅地建物取引業者A社(消費税課税事業者)は貸主Bから建物の貸借の代理の依頼を受け、宅地建物取引業者C社(消費税課税事業者)は借主Dから媒介の依頼を受け、BとDとの間で賃貸借契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば誤っているものはどれか。なお1か月分の借賃は10万円である。
1 建物を住居として賃借する場合、C社は、Dから承諾を得ているときを除き、54,000円を超える報酬をDから受領することはできない。
正しい。本肢記述のとおり(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第4)。
2 建物を店舗として貸借する場合、A社がBから108,000円の報酬を受領するときは、C社はDから報酬を受領することはできない。
正しい。本肢記述のとおり(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第4)。
3 建物を店舗として貸借する場合、本件賃貸借契約において300万円の権利金(返還されない金銭)の授受があるときは、A社及びC社が受領できる報酬の額の合計は、302,400円以内である。
正しい。本肢の場合は、権利金の額をもとに報酬計算をすることができ、速算法を使うとA社及びC社が受領できる報酬の額の合計は、(300万円×4%+2万円)×2×1.08=302,400円となる(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第6)。
4 C社は、Dから媒介報酬の限度額まで受領できるほかに、法第37条の規定に基づく契約の内容を記載した書面を作成した対価として、文書作成費を受領することができる。
誤り。宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し、国土交通大臣の定める額を超えて報酬を受けることができない。ただし、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、この限りでない(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第7)。本肢の文書作成費を受領できる旨の規定はない。

2010年(平成22年)

【問 42(改)】 宅地建物取引業者(消費税課税事業者)の媒介により建物の賃貸借契約が成立した場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、借賃及び権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものをいう。)には、消費税相当額を含まないものとする。
1 依頼者と宅地建物取引業者との間であらかじめ報酬の額を定めていなかったときは、当該依頼者は宅地建物取引業者に対して国土交通大臣が定めた報酬の限度額を報酬として支払わなければならない。
誤り。あらかじめ報酬の額を定めていないときに、報酬の限度額を支払わなければならないとする規定はない(宅地建物取引業法第46条第1項・第2項)。
2 宅地建物取引業者は、国土交通大臣が定める限度額を超えて報酬を受領してはならないが、相手方が好意で支払う謝金は、この限度額とは別に受領することができる。
誤り。「宅建業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し、報酬に関する告示の規定によるほか、報酬を受けることができない。ただし、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、この限りでない。」という規定はあるが、本肢のような規定はない(宅地建物取引業法第46条、宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額に関する告示第7)。
3 宅地建物取引業者が居住用建物の貸主及び借主の双方から媒介の依頼を受けるに当たって借主から承諾を得ていなければ、借主から借賃の1.08月分の報酬を受領することはできない。
正しい。本肢記述のとおり(宅地建物取引業法第46条、宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額に関する告示第4)。
4 宅地建物取引業者が居住用建物以外の建物の貸借の媒介を行う場合において、権利金の授受があるときは、当該宅地建物取引業者が受領できる報酬額は、借賃の1.08月分又は権利金の額を売買代金とみなして算出した金額のいずれか低い方の額を上限としなければならない。
誤り。いずれかを選択して報酬を請求することができる。“高い方の額”までは受領しても違反とはならない(宅地建物取引業法第46条、宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額に関する告示第6)。。

2009年(平成21年)

【問 41(改)】 宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が売主B(消費税課税事業者)からB所有の土地付建物の媒介の依頼を受け、買主Cとの間で売買契約を成立させた場合、AがBから受領できる報酬の上限額は、次のうちどれか。なお、土地付建物の代金は6,360万円(うち、土地代金は4,200万円) で、消費税及び地方消費税を含むものとする。
1 1,890,000円
2 2,016,000円
3 2,073,600円
4 2,125,440円
本問の場合、報酬計算の基礎となる売買代金(税抜き価格)は、6,200万円である。よって、6,200万円×3%+6万円=192万円がAがBから受領する報酬となる。なお、Aは、消費税の課税事業者なので192万円に消費税相当額を上乗せした2,073,600円が、Bから受領できる報酬の上限額となる(宅地建物取引業法第46条)。

 

【問 42】 次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において、契約行為等とは、宅地若しくは建物の売買若しくは交換の契約(予約を含む。)若しくは宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介の契約を締結し、又はこれらの契約の申込みを受けることをいう。
1 宅地建物取引業者が一団の宅地の分譲を行う案内所において契約行為等を行う場合、当該案内所には国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
誤り。宅建業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない(宅地建物取引業法第46条第4項)が、案内所への掲示は義務付けられていない。

2008年(平成20年)

【問 38】 次に記述する宅地建物取引業者Aが行う業務に関する行為のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
2 建物の貸借の媒介において、申込者が自己都合で申込みを撤回し賃貸借契約が成立しなかったため、Aは、既に受領していた預り金から媒介報酬に相当する金額を差し引いて、申込者に返還した。
違反する。報酬は成功報酬である。また、宅建業者の相手方等が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒んではならない(宅地建物取引業法第46条、第47条の2第3項、同法施行規則第16条の12第2号)。

 

【問 43(改)】 宅地建物取引業者A及び宅地建物取引業者B (共に消費税課税事業者) が受領する報酬に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、借賃には、消費税相当額を含まないものとする。
1 Aが単独で行う居住用建物の貸借の媒介に関して、Aが依頼者の一方から受けることができる報酬の限額は、当該媒介の依頼者から報酬請求時までに承諾を得ている場合には、借賃の1.08か月分である。
誤り。依頼者の承諾は、「媒介の依頼を受けるに当たって得ておくことが必要」であり、依頼後に承諾を得た場合は、借賃の1月分の0.54倍に相当する金額を超えて報酬を受領することはできない(宅地建物取引業法第46条)。
2 Aが単独で行う事業用建物の貸借の媒介に関して、Aが依頼者の双方から受ける報酬の合計額が借賃の1.08か月分以内であれば、Aは依頼者の双方からどのような割合で報酬を受けてもよい。
正しい。本肢記述のとおり(宅地建物取引業法第46条)。
3 Aが単独で貸主と借主の双方から店舗用建物の貸借の媒介の依頼を受け、1か月の借賃25万9,200円 (消費税額及び地方消費税額を含む。)、権利金324万円(権利設定の対価として支払われるもので、返還されない。消費税額及び地方消費税額を含む。)の契約を成立させた場合、Aは依頼者の双方から合計で31万円の報酬を受けることができる。
誤り。本肢の場合、権利金をもとに報酬計算をする方が多くの報酬を得ることができるが、その報酬限度額は30万2,400円である(宅地建物取引業法第46条)。
4 Aは売主から代理の依頼を、Bは買主から媒介の依頼を、それぞれ受けて、代金4,000万円の宅地の売買契約を成立させた場合、Aは売主から272万1,600円、Bは買主から136万800円の報酬をそれぞれ受けることができる。
誤り。売主・買主からABが受領する報酬の合計額は272万1,600円以内でなければならない(宅地建物取引業法第46条)。

2007年(平成19年)

【問 42(改)】 宅地建物取引業者A (消費税課税事業者) は、B所有の建物について、B及びCから媒介の依頼を受け、Bを貸主、Cを借主とする定期借家契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、 1か月分の借賃は13万円、保証金(Cの退去時にCに全額返還されるものとする。)は300万円とする。
1 建物が店舗用である場合、AがCから受け取ることができる報酬の限度額は、151,200円である。
誤り。保証金は退去時に返還されるものなので「権利金」とはならず、これを基礎に計算することはできない。AがCから受け取ることができる報酬の限度額は、13万円×1.08=140,400円である(宅地建物取引業法第46条、報酬告示第4)。
2 Aは、媒介報酬の限度額のほかに、Bの依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を報酬に合算して、Bから受け取ることができる。
誤り。通常の広告料金は、宅建業者が負担しなければならない(宅地建物取引業法第46条、報酬告示第7)。
3 建物が居住用である場合、AがB及びCから受け取ることができる報酬の限度額は、B及びCの承諾を得ているときを除き、それぞれ70,200円である。
正しい。建物が居住用の場合、依頼者の承諾がない限り、家賃の1か月分の2分の1の額が限度額となる。したがって、13万円÷2=65,000円、これに消費税を加え65,000円×1.08=70,200円となる(宅地建物取引業法第46条、報酬告示第4)。
4 定期借家契約の契約期間が終了した直後に、AがBC間の定期借家契約の再契約を成立させた場合にAが受け取る報酬については、宅地建物取引業法の規定は適用されない。
誤り。定期借家契約の再契約に関して宅建業者が受けることのできる報酬についても、新規の契約と同様に報酬規定が適用される(宅地建物取引業法第46条、報酬告示第4)。

2006年(平成18年)

【問 43(改)】 宅地建物取引業者(消費税課税事業者)が、宅地建物取引業に関して報酬を受領した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものの組合せとして、正しいものはどれか。なお、この場合の取引の関係者は、A、B及びCのみとする。
ア Aは、BからB所有の宅地の売却について代理の依頼を受け、Cを買主として代金3,000万円で売買契約を成立させた。その際、Bから報酬として、126万円を受領した。
違反しない。Aは、207万3,600円まではBから報酬を受領できる(宅地建物取引業法第46条、報酬告示第3)。
イ Aは、BからB所有の宅地の売却について代理の依頼を受け、Cを買主として代金1,000万円で売買契約を成立させた。その際、Bから報酬30万円のほかに、Bの特別の依頼による広告に要した実費10万円を受領した。
違反しない。Aは、77万7,600円まではBから報酬を受領できる。また、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、報酬とは別に受領できる(宅地建物取引業法第46条、報酬告示第7)。
ウ Aは、貸主B及び借主Cとの間で建物の貸借の媒介契約を締結し、その1か月後にBC間の建物の貸借契約を成立させたことの報酬として、B及びCそれぞれから建物の借賃の1月分ずつを受領した。
違反する。B及びCから受領する報酬の“合計額”が借賃の1ヵ月分を超えてはならない(宅地建物取引業法第46条、報酬告示第4)。

2005年(平成17年)

【問 34】 宅地建物取引業者Aが行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
4 Aは、建物の貸借の媒介に当たり、依頼者の依頼に基づいて広告をした。Aは報酬とは別に、依頼者に対しその広告料金を請求することができない。
誤り。依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、報酬とは別に受領することができる(宅建業法第46条、報酬告示第7)。

 

【問 44(改)】 宅地建物取引業者A(消費税納税事業者)が、B所有の居住用建物について、媒介により貸主Bと借主Cとの賃貸借契約を成立させた場合について、Aが受けることのできる報酬額について、誤っているものはどれか。なお、建物の1月分の借賃は9万円とする。
1 Aは、BとCの承諾を得たときは、Bから97,200円、Cから97,200円を受領できる。
誤り。双方からの報酬の“合計”は1月分の1.08倍以内でなければならない(宅地建物取引業法第46条、報酬告示第4)。
2 Aは、Bの承諾を得たときは、Bのみから97,200円を受領できる。
正しい。本肢記述のとおり(宅地建物取引業法第46条、報酬告示第4)。
3 Aは、Bから48,600円、Cから48,600円を受領できる。
正しい。本肢記述のとおり(宅地建物取引業法第46条、報酬告示第4)。
4 Aは、Bの承諾を得たときは、Bから70,000円、Cから27,200円を受領できる。
正しい。本肢記述のとおり(宅地建物取引業法第46条、報酬告示第4)。

2004年(平成16年)

〔問 41(改)〕 宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が売主B(消費税課税事業者)からB所有の土地付建物の媒介依頼を受け、買主Cとの間で売買契約を成立させた場合、AがBから受領できる報酬の限度額(消費税額及び地方消費税額を含む。)は、次のうちどれか。なお、土地付建物の代金は5,160万円(消費税額及び地方消費税額を合算した額160万円を含む。)とする。
1 1,560,000円
限度額ではない。(宅地建物取引業法第46条)。
2 1,590,000円
限度額ではない。(宅地建物取引業法第46条)。
3 1,684,800円
限度額である。5,000万円×3%+6万円=156万円。156万円×1.08=168万4,800円(宅地建物取引業法第46条)。
4 1,736,640円
限度額ではない。(宅地建物取引業法第46条)。

2003年(平成15年)

【問 44】 宅地建物取引業者Aが、単独で又は宅地建物取引業者Bと共同して店舗用建物の賃貸借契約の代理又は媒介業務を行う際の報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、消費税及び地方消費税に関しては考慮しないものとする。
1 Aが、単独で貸主と借主双方から媒介を依頼され契約を成立させた場合、双方から受けることができる報酬額の合計は借賃の1ヵ月分以内である。
正しい。本肢記述のとおり(宅地建物取引業法第46条第2項、告示第4)。
2 Aが、単独で貸主と借主双万から媒介を依頼され1ヵ月当たり借賃50万円、権利金1,000万円(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないもの)の契約を成立させた場合、双方から受けることのできる報酬額の合計は50万円以内である。
誤り。本肢の場合は、権利金の額をもとに報酬計算ができる。権利金を使うと、1,000万円×3%+6万円=36万円を依頼者の一方から受領することができる。本肢の場合は、貸主・借主双方から依頼を受けているので。36万円×2=72万円までは報酬を受領することができる(宅地建物取引業法第46条第2項、告示第6)。
3 Aが貸主から代理を依頼され、Bが借主から媒介を依頼され、共同して契約を成立させた場合、Aは貸主から、Bは借主からそれぞれ借賃の1ヵ月分の報酬額を受けることができる。
誤り。AB双方が受ける報酬額を合計した額が、借賃の額の1ヵ月分を超えてはならない(宅地建物取引業法第46条第2項、告示第4・第5)。
4 Aが貸主から、Bが借主からそれぞれ媒介を依頼され、共同して契約を成立させた場合、Aは貸主から、Bは借主からそれぞれ借賃の1ヵ月分の報酬額を受けることができる。
誤り。AB双方が受ける報酬額を合計した額が、借賃の額の1ヵ月分を超えてはならない(宅地建物取引業法第46条第2項、告示第4)。

2001年(平成13年)

【問 37】 宅地建物取引業者Aは、Bから住宅用地の購入について依頼を受け媒介契約を締結していたところ、古い空き家が建った土地(甲地)を見つけ、甲地の所有者とBとの売買契約を締結させ、又はさせようとしている。この場合、宅地建物取引業法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
4 Bが甲地を取得し、自ら古い空き家を除去するつもりである場合で、媒介契約に特別の定めがないとき、Aは、Bが甲地を取得した後も、その空家の除去が完成するまでは、媒介報酬の支払を請求することはできない。
誤り。「Bが甲地を取得した後も、その空家の除去が完成するまでは、媒介報酬の支払を請求することはできない」旨の特約があればそれに従うが、その特約がなければ、媒介報酬については、その契約が成立すれば請求することができる。(宅地建物取引業法第46条)。

 

【問 45】 次の行為のうち、宅地建物取引業者がしてはならないこととして、宅地建物取引業法の規定により禁止されているものは、いくつあるか。
エ 宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して、国土交通大臣の定める額をこえて報酬を受けること
禁止されている。宅建業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。宅建業者は、この額をこえて報酬を受けてはならない(宅地建物取引業法第46条第1項・第2項)。

2000年(平成12年)

【問 35】 宅地建物取引業者Aが、その業務を行う場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
2 Aは、建物の売買の媒介をするに当たり、建物の売主から特別の依頼を受けて広告をし、当該建物の売買契約が成立したので、国土交通大臣が定めた報酬限度額の報酬のほかに、その広告に要した実費を超える料金を受領した。
違反。宅建業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し、国土交通大臣が定めた額を超えて報酬を受けることができない。ただし、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、この限りでない。本肢の場合、依頼者から依頼を受けて行った広告の費用(実費)は請求できるが、その広告に要した実費を「超える料金」を受領しているので違反となる(宅地建物取引業法第46条第2項、同法告示第7)。

 

【問 38】 宅地建物取引業者Aの行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
3 Aが、建物の貸借の媒介をするに当たり、依頼者からの依頼に基づくことなく広告した場合でも、その広告が貸借の契約の成立に寄与したとき、Aは、報酬とは別に、その広告料金を請求できる。
誤り。依頼者の依頼に基づかない以上、その広告料を請求することはできない(宅地建物取引業法第46条第2項、同法告示第7)。

1999年(平成11年)

【問 36】 宅地建物取引業者A及びその従業者である取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
3 Aが、建物の売買の媒介についてその依頼者から国土交通大臣が定めた報酬の限度額の報酬を受けた場合でも、取引士は、別途当該依頼者から媒介の報酬を受けることができる。
誤り。宅建業者とは別に取引士が報酬を受けることができる旨の規定はない(宅地建物取引業法第46条)。

1998年(平成10年)

〔問 40(改)〕 A、B及びCが、宅地建物取引業に関して報酬を受領した場合に関する次の三つの記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものは、いくつあるか。なお、A、B及びCは、いずれも宅地建物取引業者である。
ア 消費税の課税業者であるAが、甲及び乙から依頼を受け、甲所有の価額2,400万円の宅地と乙所有の価額2,000万円の宅地を交換する契約を媒介して成立させ、甲及び乙からそれぞれ80万円の報酬を受領した。
違反しない。本肢は交換なので2,400万円をもとに報酬計算をする。(2,400万円×3%+6万円)×1.08=84万2,400円まで甲及び乙からそれぞれ受領することができる(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。
イ 消費税の免税業者であるBが、消費税の免税業者である丙から依頼を受け、借賃月額10万円、権利金(権利設定の対価として支払われる金銭で返還されないもの) 200万円で丙所有の店舗用建物の貸借契約を媒介して成立させ、丙から12万円の報酬を受領した。
違反する。本肢の場合は、借賃で報酬計算をしても、権利金をもとに報酬計算をしても、10万3,200円を超えて報酬を受領することができない(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第4・第6)。
ウ 消費税の免税業者であるCが、消費税の課税業者である丁から依頼を受け、丁所有の価額2,000万円の宅地と価額1,728万円(消費税・地方消費税込み)の建物の売買契約を媒介して成立させ、丁から116万円の報酬を受領した。
違反しない。本肢の場合、消費税抜きの売買代金の額は、2,000万円+1,728万円÷1.08=3,600万円である。よって、(3,600万円×3%+6万円)×1.032=117万6,480円まで報酬を受領することができる(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。

1997年(平成9年)

【問 42】 宅地建物取引業者Aが一団の宅地建物の分譲を行う案内所に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において、「契約行為等」とは、宅地建物の売買若しくはその代理・媒介の契約(予約を含む。)を締結し、又はこれらの申込みを受けることをいう。
4 Aは、その事務所及び契約行為等を行う案内所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
誤り。事務所には報酬額の掲示は必要だが、案内所には不要である(宅地建物取引業法第46条第4項)。

 

【問 43】 宅地建物取引業者Aがその業務に関して広告を行った。この場合、宅地建物取引業法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
1 Aが宅地の売買の媒介をするに当たり、特に依頼者から依頼されて特別の広告を行った場合には、当該売買が不成立に終わったときでも、Aは、その広告の料金に相当する額を依頼者から受け取ることができる。
正しい。本肢記述のとおり(宅地建物取引業法第46条、報酬告示第7)。

1996年(平成8年)

【問 40】 宅地建物取引業者が3,000万円の宅地の売買の媒介契約を締結しようとする場合において、当該業者が宅地の購入をしようとしている依頼者に対して行った次の説明のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
4 売買契約が成立したときは、宅地を購入されたお客様から、100万円の報酬と別途消費税及び地方消費税をいただきます。
不適切。本肢の場合、消費税及び地方消費税を除く報酬の限度額は96万円である(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。

1995年(平成7年)

【問 42】 宅地建物取引業者Aは、造成工事完了前の宅地を自ら売主として売却するため、他の宅地建物取引業者B(消費税免税業者)にその代理を依頼し、宅地建物取引業者Cに1億円で売却する契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
2 BがCから契約の締結に関し300万円の報酬を受け取ったときでも、Bは、Aから600万円の代理の報酬を受け取ることができる。
誤り。本問の売買で宅建業者Bが受領できる報酬の合計額は631万5,840円である。BがCから300万円の報酬を受けたときは、Aからはその差額分(331万5,840円)しか報酬を受けることができない(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2・第3)。
〔問 46(改)〕 次のア~ウの事例について、宅地建物取引業者Aが受領することのできる報酬の最高限度額を多い順に並べたものはどれか 。ただし、免税事業者については、消費税及び地方消費税(みなし仕入れ率)は考慮しないものとする。
ア 消費税課税事業者Aは、Bの代理依頼を受けて、Bが所有する宅地を代金5,000万円で売却する契約を成立させ、Bから報酬を受領した。
336万9,600円。Aが受領できる報酬の最高限度額は、(5,000万円×3%+6万円)×2×1.08=336万9,600円(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第3)。
イ 消費税免税事業者Aは、Cの媒介依頼を受けて、Cが所有する土地付建物を代金それぞれ宅地分7,000万円及び建物分3,240万円(消費税及び地方消費税込み)で売却する契約を成立させ、Cから報酬を受領した。
306万円。建物の代金から消費税相当分を控除すると3,240万円÷1.08=3,000万円となる。報酬計算のもとになる代金の額はこれに土地代7,000万円を足して1億円となる。Aが受領できる報酬の最高限度額は、(1億円×3%+6万円)=306万円(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。
ウ 消費税免税事業者Aは、D及びE双方の媒介依頼を受けて、Dが所有する宅地を代金5,200万円でDE間で売買契約を成立させ、D及びEから報酬を受領した。
324万円。Aが受領できる報酬の最高限度額は、(5,200万円×3%+6万円)=162万円をD及びE双方から受領するので324万円となる(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。

1994年(平成6年)

〔問 48(改)〕 宅地建物取引業者Aが甲の依頼を受け、宅地建物取引業者Bが乙の依頼を受けて、AB共同して甲乙間の契約を成立させ、報酬を受領した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。なお、Aは消費税の免税事業者、Bは消費税の課税事業者とし、消費税の免税事業者については、消費税及び地方消費税(みなし仕入れ率)を考慮しないものとする。
1 貸主甲の業務用建物を1月当たりの借賃100万円で乙が借りるとの賃貸借の媒介の場合、Aが甲より100万円、Bが乙より108万円受領した。
違反する。本肢の場合は、AB両業者が受領する報酬の合計額が借賃の1ヵ月分100万円(消費税相当額は別途受領できる)を超えてはならない(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第4)。
2 貸主甲の店舗用建物を権利金(権利設定の対価として支払われる金銭で、返還されないものをいう。)500万円、1月当たりの借賃20万円で乙が借りるとの賃貸借の媒介の場合、Aが甲より21万円、Bが乙より20万6,000円受領した。
違反しない。本肢の場合、権利金をもとに報酬計算をすると限度額を超えていない(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第6)。
3 甲所有の宅地及び建物の代金をそれぞれ3,000万円及び2,052万円(消費税及び地方消費税込み)で乙が買うとの売買の媒介の場合、Aが甲より156万円、Bが乙より163万8,000円受領した。
違反する。建物の消費税抜きの価格は2,052万円÷1.08=1,900円となり、土地代金と合計すると報酬計算のもとになる金額は、4,900万円となる。これをもとに報酬計算をすると、媒介の依頼者の一方から受領できる報酬額は、4,900万円×3%+6万円=153万円となる。消費税の課税事業者の場合は8パーセント上乗せして、165万2,400円までは受領することができる。この限度額と本肢の受領額を比較すると、Aの受領が限度額の153万円を超えている(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。
4 甲所有の宅地を代金4,000万円で乙が買うとの売買の媒介の場合、Aが甲より136万円、Bが乙より132万3,000円受領した。
違反する。本肢の場合の報酬の限度額は、4,000万円×3%+6万円=126万円であり、Aの受領額はこれを超えている。消費税を上乗せした場合の限度額は136万800円であり、Bは限度額を超えていない(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。

1993年(平成5年)

〔問 50(改)〕 宅地建物取引業者A(消費税の免税事業者)が甲の依頼を受け、宅地建物取引業者B(消費税の課税事業者)が乙の依頼を受けて、契約を成立させ、報酬を受領した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法に違反しないものはどれか。なお、免税業者のみなし仕入れ率については考慮しないものとする。
1 Aは、甲の媒介依頼を受けて、甲所有の宅地及び建物を代金それぞれ3,000万円及び1,620万円(消費税及び地方消費税込み)で、売買契約を成立させ、甲から142万円の報酬を受領した。
違反する。消費税抜きの売買価格は4,500万円である。これをもとに報酬計算をすると4,500万円×3%+6万円=141万円となる。Aは甲から142万円の報酬を受領しているので違反となる(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。
2 Aは、甲の媒介依頼を受けて、甲所有の事務所ビルの1 室を権利金(権利設定の対価として支払われる金銭で、返還されないものをいう。)300万円、借賃月額13万円で、賃貸借契約を成立させ、甲から14万円の報酬を受領した。
違反しない。権利金をもとに報酬計算をすると、300万円×4%+2万円=14万円となる(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第6)。
3 Aは甲から媒介依頼を、また、Bは乙から媒介依頼を受けて、共同して甲乙間に、甲所有の建物3,240万円(消費税及び地方消費税込み)と乙所有の建物4,320万円(消費税及び地方消費税込み)の交換契約を成立させ、Aは甲から98万円、Bは乙から137万円の報酬を受領した。
違反する。交換の場合は、高い方の金額4,320万円をもとに報酬計算を行う。4,320万円から消費税相当額を控除すると、4,000万円となる。4,000万円×3%+6万円=126万円が媒介の場合の報酬の限度額となる。消費税相当額を上乗せすると126万円×1.08=136万800円となる。したがって、宅建業者Aは違反とならないが、137万円の報酬を受領した宅建業者Bは違反となる(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。
4 Aは甲から代理依頼を、また、Bは乙から媒介依頼を受けて、共同して甲乙間に、甲所有の居住用建物の賃貸借契約を借賃月額24万円で成立させ、Aは甲から24万円、Bは乙から12万円の報酬を受領した。
違反する。本肢の場合、宅建業者AおよびBが受領する報酬を合計した額が借賃月額に相当する24万円を超えることはできない(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第4・第5)。

1992年(平成4年)

【問 50】 宅地建物取引業者Aが単独で又は宅地建物取引業者Bと共同して、甲乙間に契約を成立させて報酬を受領した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法に違反しないものは、どれか。ただし、A・Bともに、消費税の免税業者であるものとし、免税業者のみなし仕入れ率(媒介又は代理業務の仕入れに係る消費税及び地方消費税相当額)については考慮しないものとする。
1 甲所有の宅地(3,000万円)の売買について、甲から代理の依頼を受けたAと、買主乙から媒介の依頼を受けたBとが共同して、売買契約を成立させ、Aが甲から192万円、Bが乙から96万円を受領した。
違反する。本肢の場合、媒介の依頼者の一方から受領できる報酬の限度額は、3,000万円×3%+6万円=96万円となる。代理の場合は96万円×2=192万円となる。ただし、ひとつの取引でAB両業者が受領する報酬額の合計額が192万円を超えてはならない(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2・第3)。
2 甲所有の宅地(1,800万円)と乙所有の宅地(2,000万円)の交換について、甲から媒介の依頼を受けたAと、乙から媒介の依頼を受けたBとが共同して、交換契約を成立させ、Aが甲から66万円、Bが乙から66万円を受領した。
違反しない。本肢の場合は交換金額に差があるので、高い方の2,000万円をもとに報酬計算を行う。2,000万円×3%+6万円=66万円までは、媒介契約の依頼者の一方から受領することができる(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。
3 甲所有の店舗用建物の賃貸借について、甲から媒介の依頼を受けたAが、甲と借主乙との間に、賃貸借契約(借賃月額40万円。保証金1,500万円、ただし、この保証金は、乙の退去時に乙に返還するものとする。)を成立させ、甲から51万円を受領した。
違反する。本肢の保証金は、乙の退去時に乙に返還されるものなので報酬計算に使うことはできない。本肢の場合は、借賃月額40万円が受領できる限度額となる(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第4・第6)。
4 甲所有の居住用建物の賃貸借について、甲から媒介の依頼を受けたAと、借主乙から媒介の依頼を受けたBとが共同して、甲と乙との間に、賃貸借契約(借賃月額40万円)を成立させ、Aが甲から10万円、Bが乙から30万円を受領した。ただし、媒介の依頼を受けるに当たり、報酬額について別段の定めはないものとする。
違反する。媒介の依頼を受けるに当たり、報酬額について別段の定めはないので、A及びBは、依頼者の一方から借賃月額40万円の2分の1を超えて報酬を受領してはならない(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第4)。

1991年(平成3年)

〔問 41(改)〕 宅地建物取引業者Aが甲の依頼を受け、宅地建物取引業者Bが乙の依頼を受け、AB共同して甲乙間の契約を成立させ、報酬を受領した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものは、どれか。なお、Aと乙は消費税の課税事業者、Bと甲は消費税の免税事業者とし、消費税の免税事業者については、消費税及び地方消費税に関して考慮しないものとする。
1 貸主甲の居住用建物を権利金(権利設定の対価として支払われる金銭で、返還されないものをいう。)300万円、1月当たりの借賃30万円で乙が借りるとの賃貸借の媒介の場合、Aが甲より25万2,000円、Bが乙より24万円受領した。
違反する。居住用建物の場合は権利金をもとに報酬計算をすることができず、借賃月額30万円(プラス消費税相当額)が限度となる(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第4・第6)。
2 貸主甲の居住用建物を1月当たりの借賃30万円で乙が借りるとの賃貸借の媒介の場合、Aが甲より16万8,000円、Bが乙より15万円受領した。
違反する。本肢の場合、Aは、15万円×1.08=16万2,000円を超えて報酬を受領することができない(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第4)。
3 甲所有の宅地及び建物を代金それぞれ4,000万円及び1,026万円(消費税及び地方消費税込み)で乙が買うとの売買の媒介の場合、Aが甲より167万8,600円、Bが乙より156万円受領した。
違反する。消費税を除く建物の価格は、1,026万円÷1.08=950万円となり、土地価格と合計すると報酬計算のもとになる金額は4,950万円となる。媒介の依頼者の一方から受領できる報酬の限度額は、4,950万円×3%+6万円=154万5,000円となる。これに消費税相当額を上乗せすると166万8,600円となる。よって、AもBも受領できる報酬の限度額を超えている(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。
4 甲所有の宅地を代金4,000万円で乙が買うとの売買契約の媒介の場合、Aが甲より132万3,000円、Bが乙より120万円受領した。
違反しない。本肢の限度額は、4,000万円×3%+6万円=126万円(消費税相当額を上乗せしたときは、136万800円)となる。ABともにこの限度額を超えていない(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。

1990年(平成2年)

〔問 48(改)〕 消費税の免税事業者である宅地建物取引業者Aは、消費税の課税事業者である法人甲から媒介の依頼を受け、また、消費税の課税事業者である宅地建物取引業者Bは、消費税の免税事業者である乙から媒介の依頼を受けて、AB共同して、甲乙間に、甲の所有する事業用の宅地及び建物の売買契約を成立させた。この場合、宅地建物取引業者が受領することのできる報酬の上限額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、消費税の免税事業者については、消費税及び地方消費税に関しては考慮しないものとする。
1 消費税込みの物件価額が宅地1,000万円、建物2,160万円の場合、Aの受領することのできる報酬の上限額は、96万円である。
正しい。本肢の場合、税抜の建物価額は、2,000万円であり、宅地価格と合計して3,000万円をもとに報酬計算を行う。3,000万円×3%+6万円=96万円が、Aの受領することのできる報酬の上限額である(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。
2 消費税込みの物件価額が宅地1,000万円、建物2,052万円の場合、Aの受領することのできる報酬の上限額は、100万8,000円である。
誤り。本肢の場合、税抜の建物価額は、1,900万円であり、宅地価格と合計して2,900万円をもとに報酬計算を行う。2,900万円×3%+6万円=93万円が、Aの受領することのできる報酬の上限額である(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。
3 消費税込みの物件価額が宅地1,000万円,建物2,160万円の場合、Bの受領することのできる報酬の上限額は、96万円である。
誤り。本肢の場合、税抜の建物価額は、2,000万円であり、宅地価格と合計して3,000万円をもとに報酬計算を行う。3,000万円×3%+6万円=96万円となるが、Bは、消費税の課税事業者であるので、消費税相当分を上乗せして96万円×1.08=103万6,800円を上限として報酬を受領することができる(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。
4 消費税込みの物件価額が宅地1,000万円,建物2,052万円の場合、Bの受領することのできる報酬の上限額は、100万8,000円である。
誤り。本肢の場合、税抜の建物価額は、1,900万円であり、宅地価格と合計して2,900万円をもとに報酬計算を行う。2,900万円×3%+6万円=93万円となるが、Bは、消費税の課税事業者であるので、消費税相当分を上乗せして93万円×1.08=100万4,400円を上限として報酬を受領することができる(宅地建物取引業法第46条第2項、報酬告示第2)。

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